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夜神月さん (8b4zwmci)2022/5/28 02:03 (No.94928)削除
六道雪吹外伝 最終章

~幸せ~


一人になってからどれくらい経っただろう。いつも同じことを考えるだけの毎日が、今までの何倍も長く感じる。誰かといた時間は一瞬なのに、独りの時間は何倍も長く感じる。

外へ出れば周りから避けられ、悪魔の血がどうこう、気味が悪いだの散々な言われ様だった。実際人間から見れば自分が気味が悪いと思うのは仕方ないが、それでも決していい気分ではなかった。自分だって好きで生まれてきたわけでは無い。たまたま親が人間じゃなかっただけ。ただそれだけなのに自分を責めない人間は居なかった。それでも1人で居たいとは思わず、誰かに寄り添って欲しかった。ほんの少しでもいいから愛して欲しかった。寂しい、誰かと一緒に居たい。という感情は日をまたぐにつれ、強くなっていった。親を恨むつもりは無いが、産まれてきた事に後悔している。

家に戻れば安息の地……という訳でも無かった。壁や床、家の中全体にビッシリと目があり、瞬きをしながらこちらを見ていた。

思わず「ひっ……」と声を出し、突然の出来事に思わず腰を抜かし、恐怖を感じた。何故このような事が起こっているのかは分からなかった。恐る恐る目に触れようとすると、目のような感触では無く、床と同じ固い感触だった。この目が何なのかは分からなかったが、ただただ不快でしかなかった。少しすると声まで聞こえてきた。自分に対する暴言や悲鳴、様々な声が聞こえてき、あまりのうるささに耳を塞ぐも、声が止むことは無かった。声も止まず、目も常にこちらを見ており、頭が割れそうだ。終いにはその場でビチャビチャと吐瀉物を吐き出してしまった。

数日後、食べ物が喉を通らなくなり、睡眠もロクに取れなくなってきた。時々知らない人間が家に居たり、異形の悪魔のような化け物が突然現れたり、時々声が聞こえだしたり、明らかにおかしな出来事が起き続けた。彼は精神的にも、身体的にも限界まで弱りきっていた。

そんな毎日を続けて居たが突然、彼は明るくなり、元気を取り戻した。人にも避けられようとも積極的に絡むようになり、手当り次第人間に話しかけるようになった。勿論周りの人間は彼が頭がおかしくなったんじゃないかと思っていたが、全く持ってその通りだった。突然の彼の変化に気味が悪いという者も現れた。彼は遂に精神が限界を迎え、現実から目を背けようと、自分じゃない誰かを演じようとし始めた。食事も採る様になり、睡眠もとれる様になった。身体的には徐々に回復し始めたが、それと比例するかのように自分を見失い始めた。それでも精神的な部分は全く回復せず、死にたいという欲求は強くなって行った。声や意味不明な物を見る事は少なくなったが、いつも体には出来たばかりの傷があった。

2年程、この様な生活を過ごした。そんなある日、緊急でとある任務が入った。羽田空港にて悪魔の襲撃事件だった。ひょっとして死ぬチャンスでは無いのか?真っ先にそう思うと同時に、幸せになれるなら生きたい。まだ可能性を捨てたくない自分も居たが、これ以上苦しみたくなかった。もう終わりにしたかった。

幸せってなんだろうな、どうすれば幸せになれたのかな。もっと人に愛されたかった。もっと誰かを愛したかった。何故生まれて来たのか、この人生に意味なんてあったのか。幸せな時間のない人生だったと言えば嘘にはなるが、もっと幸せになりたかった。

そんな想いを胸に、彼は羽田空港へと足を踏み入れた。
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楊貴妃さん (7oskzwxe)2022/5/28 01:11 (No.94925)削除
異法ノ審判


 悪魔というのは、大きく分けて三種類居る。
 天降り、悪魔、魔人。最初のやつは神様が堕ちた姿、悪魔はその定義の通りであれば人の悪意から生まれるもので、魔人は悪魔が人に感染し乗っ取った存在。
 どうしてそんな話をするのかって?
 聞かせてあげよう、こんなこともあるんだと。



 ある墓場の悪魔事件から、知り合いになった魔人退魔師の子がいる。その子が、花屋で止めて欲しいとお願いしてきた事から始まった。可愛い女の子、ただその時はすごく冷静だった。
「少し狙われてるから泊めてほしい」
 ただ花屋には寝る場所が無い。しかし却下するには余裕がありすぎる、とのことで店長から譲り受けてかつ今住処にしてる自分の一軒家に案内した。
 ちなみに女の子なんだけど、保護者らしき機械も居たので何か言われても大丈夫だろうと踏んでいる。
「んで、確かミナトバちゃんだっけ?どうしたんだい、自分の家にも帰らずにお願いなんかしてきて」
「少し匿ってほしいんだ。私とこれだけだと、襲われる可能性が高くて。厄介なことに巻き込まれた」
 魔人にもそういうことあると人間だとどうすれば困るもんだが……と言おうとしたら勝手にシャワーを借りてるし。テレビでもつけようか。
『……次のニュースです。
 流研究所は今日昼“魔人を食文化に組み込む研究発表”を行いました』
「は?」
 魔人を食文化に組み込む?
『研究所のトップ、流光氏は“魔人を飼い慣らし食人させなければ暴れる事はない”と発表しています』
 ソファを見ると、目を伏せてそうな機械が目に映る。テレビには、何かを訴える覚悟をした中年が映ってた。
『日本は今食糧危機を迎えています!
 悪魔や魔人が生まれ、それらを食べるのは善良な一般市民だけではなく人という存在だと欺くための家畜や野菜もそうなのです!退魔師は御三家という名誉のために争った結果、持っている技術を此方に流さず人とそれ以外を分けるシステムすら出来上がらなかった!その結果を受けて、我々は研究を進めました!
 導き出した答えが魔人を食べる事だったのです。我々大衆のストレスから解放される方法、大まかに共通する趣味は肉を食べる!ならばその行為をベジタリアンを凌駕する善行に変え、人類が生き残るための抵抗に変え、不安な心を塗り替える!悪意が人を生み出すなら、食による確執を消して悪魔も天降りも減らすのです!』
 なるほど、捕食してくるであろう相手を逆に食べてしまう。そうすれば悪意すら飲み込み、恐れが取れて人間の心を晴らせる、か。
「素晴らしい話ですね」
 機械は、少し暗い声で呟いた。
 テレビのキャスターは悪魔がタンパク質が多いものだとの研究が進んでいて、これを安全に食べられる場合は低脂質の肉として筋トレをしてる人向けに売るらしい。
「食というのは確かに確執を生み出す。もし、魔人肉を生み出せたらその生産ルートは生きてるだけの我々だから費用もかからない。育てる必要もないからかなり安上がりかつ母数が多いから流通量もそれなりになるし、1パックの値段もかなり下がる。貧困層でも買えるような値段になるわけだ、考えようなら確かに食べる事には問題ない。ただ、言いように異様な煽りを感じるな」
「と、申しますと」
「退魔師を罵倒するところまではまだ分かる。実際特級退魔師が二人死に、例の京都事件ではミナトバちゃんもそうだが冷泉家の娘が犠牲を顧みずに暴れたそうじゃないか。テロリスト共は退魔師の存在意義を問うために公開したあれだ」
 部屋の中で銃火器をぶっ放す娘は今はハミングしながら身体洗ってる。ただ、あれは呪術師がそもそも暴れてるのも悪いので一方を責められないのも確かだ。
「それもあればあんな言い草も納得出来るが、問題はそこからだよ。関係ないはずのベジタリアンよりも凌駕する善行と言い切ったりとか、剰えまるで人類よ立ち上がれ的な言い方をする」
「怪しむには十分と。しかし、販促するにはいい文句だと思いますよ。しっかり足を引っ掛けて開けようとしてる」
 ノートパソコンを開いて見てみる。
 今テレビに映ってる奴の論文が公開されているから、一回見てみる事にした。
 魔人をまず人間が食べて大丈夫なはずがないから、そこはどうなんだ?
「___なんだこれ?」
 ある機械のページに出た。
「魔人を肉にする場合は呪力を取り除く必要がある。これを浄化するには、三級退魔師の資格を持った職員が監修した霊力駆動低温調理器により呪力を打ち消して肉にする。魔人制御下では肉を食べさせない事で生きていた時の不純物を落とす狙いがある」
 退魔師への高給も含めれば前線に出なくても良いし、出てくる魔人も制御下にあるから問題はない。よく考えられてるが___
「上がった」
「ああ、出たか……うん」
 服を着ろ服を、タオル以外の布が無い。
 そういえば彼女も魔人か。人間の裸体は確かに同族として興奮するかもしれないが、いずれ朽ちることを考えると愛する事に窮する。魔人や悪魔は劣化がないから、そう思うと彼女の身体は傑作かもしれない。ただ、食べたいと思うかどうかと聞かれると……気持ちはあまり向かない。
 そもそも美味しいかどうか、わからない。
「小さい子を介抱した時の可愛い洋服しか無いけど、店長が置いてったものがあるからそれを着てくれ」
「分かった」
 彼女をもっかい洗面台に誘導してから、ニーベルンゲンをみる。テレビは、ゲストとして招かれた流光氏がにこやかに話してた。
『いずれはこの業界は進出、退魔師に捨てられた呪術師を招き雇用拡大して犯罪者も減らしたいと思っています。人間は食べる事を“いただきます”と感謝を述べて善行を行っているのですから、そこに組み込めばいいのですよ。というわけで、もし今テレビをご覧になられてる方で呪術師を勤めてらっしゃる場合は研究所の方へ直接足を運んで頂くか、お電話をいただけると幸いです』
 ___綺麗事だとしてもあまりに出来すぎている、テレビで言うには大きい。それに……魔人だって意識が違うだけで元は人だ。そんな扱いが許されるべきでは無い。
「ニーベルンゲン、一つ頼みたいことがある」
「なんでしょうか?」
 本人からまだ聞けてないが、ミナトバちゃんが今付け狙われてるのはこれが関係していると見ていいだろう。あと、彼女を守る策もある。
「一緒に着いてきて欲しい」
「……貴方が行く意味は?」
「知り合いに心優しい呪術師は居ないから」

 ◇

 流研究所。
 森の中にあるあたり、警備はしっかりしてるらしい。
「ユーゼァさ……いや、今からは悠さんと呼ぶべきですね。いつお嬢様の保護をお願いしたんですか?」
「今朝だよ。連絡したらすぐ来てくれた」
「モルゲンシュテルン卿には後でお礼を伝えておきましょうか。車まで出してもらって」
 話をしてると、入り口から職員がやってきた。
「貴方が悠さんですね?私がここの職員をやっています、由美と申します」
「ああ、よろしく。呪術師枠で応募したんだよ、早速案内をしてもらっても?」
 頷いた相手に従うように、その場所へ入った。

 魔人を大々的に食べると言うことは本気なのだろうということが窺える。製造機はしっかり大型で、維持も含めてか様々な機械に囲まれている。
「この機械以外は屠殺場と同様となっています。ただ、今いる場所は魔人の子達には見えない仕様になっています」
「へえ。いやしかし、それだけで知能ある子をスマートに殺せるかどうか」
「そう思う方も無論居ますよ」
 笑顔で言ってるが、人殺しで笑うあたり精神はイカれてるに等しい。こっちは怒りは湧かないが、口角を上げるにはネタがひどい。入ってからそうだが、全ての発言がナチュラルに倫理観を外れてる。気分が悪いのは道徳を尊ぶ心以前に肌で合わないと感じている……違和感か。 
「ですが、そこは魔人に総括を頼んでいるのです。教えを説いて、元々は生を全うしたはずなのに縛られた罪人なのだから今贖うと言い聞かせています。
 ……あら、丁度来ましたね」
 奥から、ヴェールのような物を着た女性がやってきた。外国系か?随分とはっきりしてる骨格だ。女性だろう。
「ごきげんよう」
「ええ。どうも」
 軽く挨拶をする。
「この方が魔人をまとめていらっしゃる“リョク”と言う方です。結構美人で、見惚れてしまいますよね」
「リョク、さんね……今はまだ施設見学中なので、また会えたらその時に」
 相手は深々とお辞儀をして、自分達が歩いてきた方向に歩いていった。そして例のまとめ役が来た方向に足を踏み入れると、宿舎のような場所に出た。
 話し声がするが、その中に怒気や悲しみが入った声が一切ない。楽しそうな声ばかりだ。
「(……さっきの人はどう見ても魔人の類じゃ無い気がする)」
 今は自分の相棒であるニーベルンゲンに話をしてみる。
「(私もそう思ってたところです。なんというか、魔人や悪魔の類であれば精神的拠り所の報酬として食われないという保証があるわけですから少し慢心があってもおかしく無いのですが。あれでは現人神でしょう?もし本人達の前で言えなかったとしても、うちに秘めたその気持ちを出しても問題ない人の前で言うはずで)」
「(最悪処理する側の僕らでも言うはずなんだ……それに食われる側がこんな楽しそうに話すこともない。リョクのトークスキルが上手いか、もしくは裏があるか。テレビで大々的に報じてるんだ、真実を話しても動揺することはないだろうし)」
 そんなことを話していると、階段の上から誰かが降りてくる音が聞こえる。足音に重低音が少ない、子供だろう。
「あら……いらっしゃい」
「こんばんは!」
 可愛い女の子だ、見た目6歳ぐらいの。
「見ない人だね、だーれ?」
「自分は悠って言うんだ。んでこっちが相棒のニーベルンゲン、よろしくね」
「よろしくお願いします」
 鉄の塊がお辞儀するのは異様な光景にも程があるが、子供には珍しさは良い印象を与えるだけだ。その子は笑いながら“よろしく!”って言った後、階段を駆け上がっていった。
「では、一回ここで。細かい説明は後ほど行いますので、しばらくは見学なさってください」
「立ち入り禁止場所は?」
「ありませんよ。今から全て善行になるのです、そのような縛りは要りません」
 相手は笑いながら立ち去った。
「どうしますか?」
「んじゃ例の装置へ行くよ。ニーベルンゲンは、さっきの魔人さんを追ってくれ」
「了解」

 ◇

 例の場所にやってきた。
 こう言うことなら、担当者の一人や二人いてもおかしくはないはずだが見当たらない。
 外部装置を除くと、銃が置いてある。アサルトライフルとハンドガン、ショットガンも少数だが設置されているようだ。
「退魔師での浄化効果、というのも常時ではなく必要時に行うようだな」
 あまり関係のないことだ。とりあえず細部まで見てみよう。
「中心には棺桶を入れるような箱があって、そのストックと思わしきものもある。つまりこの中に入れて安全に処理する、ということか。人に食わせるから、と気合い入れている事が嘘ではないような本気度だよ」
 最も覗いていて気分の良いものではないのもある。人の形したやつの切断加工をする機械と考えると正直血の気も引いて仕方ない。
 ソイレントシステムか、そう言う名前のやつがあったな。とりあえず、まだここでは実施されてないことは確かだ。やった後の掃除が念入りだったにしろ、異臭がしない。
 さて引き返そう、踵を返して部屋を出ようと思うが反対方向を向いた時点で自分の脚が止まった。
 異様なことに、気分が悪いで片付けるには重すぎる感情に襲われる。自慢しても仕方ないが、悪魔に襲われたりして余りこういうことには怯えたりしないはずの自分が足重く動いている。
(どういうことだ!?周りには何もないはずだ!)
 見てみたが人の気配も、煙もなにもない。体内接種系の神経毒であれば何か居てもおかしくないが、だとしても風も何も吹いてこない。
 そうこうしてるうちに足音が聞こえてくる。プレッシャーといえば多分こいつだ、近づいてくるたびに冷や汗をかくだけで他の動作が止まってしまっている。
 間違いなくあれだ、魔人や悪魔とは違う。退魔師の二人と呑んだ時の言葉を思い出した。
 一人が言うには
「天降りという神が落ちた悪魔よりも強い存在がいる」
 もう一人が言えば
「その存在は一般人であれば気絶しかねない呪力と威圧がある」
 動けないまま影を落として目の前に出てきたのはリョク、さっきの女だった。
「あら、何してるんですか?」
「見学ですよ」
 さっきは感じなかったのに、どうしてだ。
「では何故怯えて?」
「そりゃその……あの、あれですよ」
 一歩ずつ、一歩ずつ進んでくる。
 最早動けない自分の、顎に指をかける。
「隣の悪魔の呪力が凄すぎて貴方の事を測れなかったので最初の時には気付かなかったんですが。今こうしてみると明白ですね、呪力がまるで無い」
 なるほど、呪力を持ってないのは確かにそうだけがすぐに嗅ぎつけるとは思わなかった。いや、そうだ。
「あは、は……失念してた。そういえば、ここに居る大半は呪力を持ってたな」
「人間と言うのはこの世界の有機物で一番の知性を持つ。しかし、それは常に発揮されるとは限らない。
 目の前の富を狙う時、性欲にまみれ異性を犯す時、それ以外で大きな事を成し遂げる時。欲の前に人は早さを重要視する。何故なら人間は安心したい生き物、確実に自分の物にするために時間をかけるという“これからが分からない”という人間なら持ってる未知への恐怖を持っているから」
 なるほど焦りすぎた!今は拘束されず、逃げる手も取れるはずだが失敗による緊張も合わさり動けない。口でやっとだ。
「それだけ人間のこと知っておいて、何故人間に加担する……?」
「人間が私を媒介にして動くなら、滅ぼすことも叶う。しかし、意志を持つ無機物という矛盾した存在が現実に在る、これは人間なしではできぬ事だ。
 私の能力は汚染。既にどの研究員も、試製の魔人肉を頬張り私に汚された。言いなりになるには時間は掛からなかった。人類を汚染するまで数多の子達を貴様らに捧げることは惜しいが、それ以降の生まれ出る子に苦悩を与えないために!」
 なるほど、しかしそれは所長が知っててやってることかそれとも知らないでやってることか?
「部外者にあれこれ言っても仕方ありませんね。一般人でありながら、こんなところに踏み込んだのは褒めてあげましょう。退魔師の判断にのみ従う者達だけではないとは考えてましたが、まさか直接破壊しに来るとは思いませんでしたから」
 そうだ。確かにそうだ。言葉だけ、というツッコミもできる。けど、人のコミュニケーションは血ではなく言葉だ。反射的に批判できるものでもない。行動したからこそ偉い、と言うのは結果論であり考えて発言をして行動を移すまでの時間が短すぎるのは人間の利点である知性を捨ててる証拠だ。まさに今の自分みたいな。
 ___とは思ったものの、こっちも別に全てが全て考え無しだった訳ではない。恐怖に囚われて狂いそうになったが、今思えば出会った瞬間に何もなかったと言うのは成功の合図だと言える。音もせず、精神操作系であれば戦闘力は高くない。何か引きずることもなければ、本当にここに来るまでに異変はなかったと言っていいだろう。
「なあ、リョク。話し合おう、自分達はまだ会ったばかりだろう?」
「そうですね、しかしイレギュラーは見逃せません。死なないようにいたしませんよ」
 そのまま首を掴まれると、息の流れが止まり始める。上に持っていかれるにつれて踏ん張れることも出来ずにもがき始める。
「空気を出して気絶してください」
 おいとんでもないな!?しかし、ここまで駄弁っていた事が致命傷。後ろに黒い影、端がかなり直角であるのを含めれば味方がやってきた。

「失礼」

 酷く鈍い音がする。
 服が汚れてしまったが、鈍く光る手が目の前に出てきた。
「なんとなく跡を付けていましたが、そろそろ死にかけてましたので。申し訳無いのですが此処で死んで頂きましょう」
 内臓が潰れる音がして、そこに女の死体が出来上がる。
 深く息を整えてから、相棒の機械に声をかける。
「助かったよニーベルンゲン、あのままだとあの世に行ってしまうところだった。とりあえず統率を取ってやつを殺したはいいが、こっからどうなるかな」
「____もう、始まってますね」
 足音がずっと、流れてくる。悲鳴や叫び声、怒号だ。最も洗脳が解けたら組織的な動きを強制されてた後なら、混乱を招いて当然だ。
“ここから逃げなきゃ”
“あの女は何処だ!”
「あんな言いようだ。ちゃんと考えたら、相手に何かを強要するのはストレスが掛かるもんだな」
 とりあえず足元の死体を蹴り転がして、退かす。急いだ足音が降りてきて、目の前に立ち尽くす。
 見せつけるように要のものを踏むと、怒った顔を見せてくれた。
「流光、だったな」
「悠!」
 目の前に立ってるのは、例の所長さんだった。
「リョクは魔人じゃないだろう?歴とした天降りじゃないか、どうりで彼女を殺した後にパニックを起こすわけだ」
 周りを見渡すと、こっちを見てから安心して逃げ回る子達。魔人は人より力が強い、殺しさえしなければ歪むこともないだろう。
「お前は人間が覚醒するチャンスを潰したんだぞ!分かってるのか、世論は確実に研究所に向いてた!それをお前は」
「それがどうした」
 言い切る。天降りを不意打ちで葬ったんだ、恐れることは目の前の男しかいない。
「リョクの呪術は精神作用するんだったな。だとしたらあんたは、この肉で人々の掌握も可能だった。本当は人のことは考えてないだろう?もし考えてたとしても、全ての人間がリョクの支配下に置かれるから……しかしそれって本当に平和なのだろうか?
 自分は反対だね。それは逆に、魔人を食うように見せかけて人間が悪魔に食われるだけだ。抗って手に入れた平和ではないよ」
「若造には分かるまい!戦える退魔師がどれだけ非力なのか……神様に部位や肉を捧げて、なんの役にも立たない力を手に入れそれを愚衆は崇め奉ってたのだよ。その結果、調子に乗った挙句死んだのが形骸化した特級退魔師だ!病みがなんだ!?イキり立った故のツケじゃないか!
 そして人間の悪意から悪魔が生まれる以上、悪魔の殲滅は不可能だ!人間の勝利は、悪意を噛み締めた上で悪魔を産まないこと!それが出来ぬのであれば……神は人を生み出したと言うだろう!?人間の文化がなければ悪魔は生まれようがない、伝える手段や記録がなければ存在の証明など不可能だ。人間の知性そのものを消せば処理できなかったものでも全てはオーパーツという姿で終わる……リセットさえ出来れば、現実的ではない存在さえ認知できなくなればいい!」
 頼みの綱だった天降りだったものは、今あたり一面に転がっている。
「まあ、いい作戦だろうな。制御する天降りが誰からも、知性体からも知られなければ仮想すら無くなるから存在できなくなるだろうってやつ。でもそいつは、この様だ。
 確かにあんたは退魔師以外にも信頼できないやつがいるかもしれないが、自分は正直人間への賛美なんてどうでもいいんだよ」
「はい……?」
 相棒が困惑しているが、言ってもいいだろう。演技のつもりで言ってるが、一応本心でもあることだ。
「あんたの願い叶うと自分の恋路がなくなるんだよ。人間と恋をしろって言うのか?」
「何を言って!?」
「そのまんまだよ。悪魔と今付き合ってて、めでたく一緒に暮らしたいなって思ってるんだ。だと言うのにそんなことされたら迷惑なんだな……全員が全員とは言わない。人間同士の恋なんて、一般人であれば実際に会う分なら性的部分が魅力的、それだけで恋に落ちるくらい簡単なんだよ。研究一辺倒のあんたにはVtuberなんてのは縁がないだろうが、イラストと声だけでガチ恋勢と悪魔を生み出すのには十分だ。
 それじゃつまらない。悪魔を言葉と、自分の持てる全てをもってぶつかる。その情熱を阻むというならどんな革命であれ潰す!大衆が人類を滅ぼすなら、それで構わない」
「愉快犯め」
 こちらを罵倒するその姿に異変が起こる。
 腕からは刃のようなパーツが肉を割いて出現し、異形と言えばと言った姿に変化する。
「如何いたしますか、悠さん」
 監視カメラを見回してみると、もう全部外れてる上にコード繋がってても本体が跡形もない。
「あんな姿になってしまった以上ぶっ殺す」
 地面に落ちてる銃を拾って、構える。
「この銃何か分かるか?」
「不運ですね。M16A1です」
「バーストか」
 銃の扱いに長けてるわけではないからそのタイプは今引きたくはなかった。が、仕方あるまい。つべこべ言ってる間に、襲い掛かってきてるのだから。
 二手に分かれて、銃を構えて撃つ。あまりにも銃口が跳ね上がるから、狙いをつけ続けるのに時間がいる。
 ブレードは異常に硬いのがガードされた。ニーベルンゲンは今装備がないのだからそのまま殴りかかると、拳を手で受け止めている。
「パワーダウンはしてないはずだ!」
「鉄屑が!」
 そのままひっくり返されて、轟音を響かせながら倒れる。壊されたらご主人に面目立たないので、撃って引きつける。
 とは言っても、こっちは攻撃を受けれない。つまり防御という択しか無くなった場合死への一方通行だ。壁を意識しつつ、常に部屋の中心に居座り射撃しつつ避ける。相手にだけ振り向くという動作がある以上、こちらにも攻撃する権利がある。
 行動を繰り返してるうちに、銃がおもちゃのような音を立てる。引き金に連動してるその音で、一つ重大な事に気づく。が、遅い。
 相手は止まらずに壁を殴っており、反動を利用して瓦礫をこっちに飛ばしてくる。
 流石にこれは避けるにはリスクがありすぎる。銃を受けてガードしたが、重いものが勢いよく飛んでくるのは人間壁があっても殺しきることは難しい、そのまま壁際までノックバックして倒れ込む。
「ユーゼァ殿!」
 隠す意味はないと判断したのか、それとも焦って本名を呼んだのか。後者であれば可愛らしいものだ。
 最もそれを揶揄う前に、こちらを立ったまま見下ろすバケモノに殺されそうになってるんだが。
「ユーゼァ……?」
「ああそうだ。悠……なんだっけ?紙には水澤 悠って書いたかな。あれは偽名だよ、一般人の名前はもっとぶっ飛んでるか普通かの二択でね。光に宙と書いてピカチュウだってさ……面白おかしいだろ」
「呪術師め。やはり元は神の隷属、旧套を脱せぬ偽善者が」
 勢いで誤魔化そうとするが正直この状態だと避けることが難しい。一回避けたところで次があるとも思えない。
 現に持ってた小銃は衝撃でレバーもイカれてるし真っ当に引き金を引こうとしても動きもしないし。銃は予備にいくつか有ったのを確認しているが、それを探すのが難しい状況。
「ニーベルンゲン!あるでしょなんか、銃とかさ!」
「稼働損傷、関節部に異常をきたしてるので動かすにはまだ時間が。それはそれとして、外部からの熱反応を確認」
 機械は叩けば治ると言うが、叩くには遠すぎるしそもそも精密なのかどうかもわからない以上手出しができるか不明。いつもの紳士は何処へやら、本当にAIが喋ってる。
「熱反応急速拡大。到達まで3、2、1」
 そういえば熱反応って……ことは!

 また破片が飛ぶ、誰も急激に受けてないから確実に外部からだ。下で伏せてるが、小さいものは当たってるし、痛い。
「対象確認!動作確認完了、両名無事です!」
 盾を持った人が数名、拳銃も持って射撃している。排除対象はそっちを向いて歩いていき、攻撃を加えようとしてる。
「そこの銃を持ってるやつ、これを使え!」
 盾は弾けるように壊れ、周りに一回分散する。奥からは指揮官と思わしき人から目の前に何か投げ込まれた。
 懐中電灯よりも太い筒。片側面には穴があり、どっかに固定するような場所がある。後ろ側にはトリガーがあるが、グリップがない。
「そいつはM203、銃身に取り付けるグレネードランチャーだ!今持ってるやつに付けれるから、そいつを装着して撃て!」
「何であんたが撃たないんだよ!」
「装着可能な装備の許可が出てねえんだ!」
 仕方ない。
 相手の気があっちを向いてる間に取り付ける。装着用のパーツの内側にバレルを潜らせて嵌め、立ち上がる。
 その音を聞きつけたら、そこら辺にある銃を持った肉塊よりも己を殺すのに最適な物を所持するこちらを向くのは自明の理。
「あんたのやり方を裁く奴は存在しない、けどこっちのやり方を裁く奴もいない。悪いな、ツキという唯一善悪を分ける存在は自分に味方をしたようだ」
 M203用のトリガーを引く。
 身体に穴が開くだけでは問題ないだろうが、それが無数にあれば中に入った異物が動きを封じる。
 散々暴れて体力も使ったその胴体に、特殊弾が入る。
「貴様ァァァァァーッ!」
 断末魔が聞こえた直後、身体が溶岩のような液体に変化する。高熱なのか、蒸気も出しながら跳ねていて原型を溶かす。
 ニーベルンゲンが瓦礫の隙間から這い出て立ち上がる頃には、体液の水たまりが出来上がっていた。
「終わったな」
 隊長さんはこっちに近寄る。
 M203を外して返すと、笑みを浮かべてた。
「ありがとう。こいつ単体でも射出できるだろうがどうも安定しなくてね。それに溶ける前から黒煙も上がっててどうしても他の銃が見つけられなかったから君を頼った。
 にしてもその銃が壊れるまでよく戦ったな。遅くなったこと、謝罪させてくれ」
「こんな施設なんです、遅れてくるのは当たり前ですけど……誰が通報したんですか?」
 聞くと口を開かずに自分の横を指差す。出てきたのは最初、相棒と一緒に出会ったあの少年だ。少し、服が黒くなってる。
「よく調べたら逃げてる子も全員魔人だった。しかし、食性を調べる限りはまだ人を食べてないようでね。はて困ったが、今はとりあえず拘置という形をとっている。心配せずとも穏便に事を済ませるさ」
「ありがとうございます」
 周囲には色々な警察官が居るが、こっちを怪しむ人はいない。そりゃ、あんなバケモノとどんぱちやってるのを最初に見たのが機動隊じゃ言い辛いか。
「ま、こんな事になってんだ。急いで帰りな、多分襲ってくる奴は居るまい。そんな修羅のような顔をしてる人、怖いからな」
 横にいる子も大きな声で、
「では後はよろしくお願いします。行こう相棒、お嬢様が待ってるよ」
「ええ」
 二人で揃って歩き出す。外に出てると、黒煙は止まってないがしっかり日差しが存在していた。

 ◇

 自分が見知ってる場所まで戻ってきた。
 花屋は閉まったままなので通り過ぎて、そのまま公園の高台までやってきた。
 機械と一人、ベンチに座る。
「……ユーゼァ殿」
 今となっては、いやもうすぐ元に戻る相棒の声。
「ユーゼァ殿は、悪魔や魔人を消したいと思いますか?」
「いいや」
 もはやそういう者の温床となりつつある花屋を遠目で見ながら答える。
「悪魔も魔人も人間も、結局は物質があるだけの魂だよ。話し合いで分かればそれでよし、ダメだったら殺し合うのは人間同士でも起こる。
 あいつは人間を生き残らせる為には一度文明をリセットするべきだと思って行動に移した。けどさ、もし人間の脳を退化させて文明が育たなくなればそもそも発生方法が自然に反く悪魔や神も居なくなる、これは正解だ。しかし、その後洗脳が解けた場合は結局変わらないし、退化で固定出来た場合はそもそも文明崩壊して終了だ。結局傍迷惑な訳」
「自分達が消えるというのに?」
「人間にとっての勝利は文明の発展だ。人間中心の社会が出来ていれば問題ない、今は瀬戸際って所かな」
 言ったことに訂正はない。知性体の勝利は持つべき言葉、道具の発展。様々な技術を統一し、全ての人間に享受し世界の主導権を維持する。
「だから正直退魔師が敵で役立たずという発言も間違っては居ない。先程から話してる仮定を本物とするなら、存在そのものが悪魔の拠り所となってるわけだから。
 要はマッチポンプだね。最も気付いたところで一族一斉無職とか地位剥奪とかになるから、御三家とか特級は自ら辞めたりすることはないかな」
「そこまで聞くと、あの人が間違ってないように聞こえますよ」
「仮定は理解できたからそれを基準にするなら概ね合ってる事は認めてあげよう。実際あれが本当に世間に認められれば、それは人類の是として行われただろう。
 けど自分はそれを認めなかった。さっき言った事が正しいと思うし、言葉と暴力が混在する世界が人間の存在意義だとも感じてるから」
 言ってることは混沌だが、人間や綺麗事じゃないと言うよりは明確な説明だと思う。そろそろ説明を終わろう、見知った声がした。
「ユーゼァ!」
「ニーベルンゲン!」
 店長とミナトバちゃんがやってきた。
「何をしてきたんだ全く!こんな姿になるなら、早く連絡をくれれば良かったんだ」
「ニーベルンゲンも腕のパーツが割れてる……大丈夫!?心配させないでよっ、早くモーゼスさんのところへ行くよ!」
「ごめんなさい。本来は見学だけで、解決は後にする予定だったんだけど早とちりしたんですよ。心配かけたこと、申し訳ない」
「頭が上がりません。お嬢様に心配をかけたこと、非常に申し訳なく思ってます。了解しました、いきましょう」
 二人が公園を降りていくところで、この件は一件落着。店長と空を見上げると、やっぱりコンクリートと人と熱の匂いがするこの世界が一番好ましい。
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楊貴妃さん (7oskzwxe)2022/3/22 04:17 (No.91963)削除
剣により。


 剣豪とは業の集大成である。
 人を殺すために作られた武器を、大衆は美学を以って本質を隠しながら殺生を楽しむ。故に、これを自覚しない者に剣を持つ資格も剣豪を名乗る資格はない。
 聖剣、邪剣、妖刀……それらを扱う者は以ての外である。霊や神に罪を擦り込んで、自身に責任がないように振る舞う。力に溺れることも罪を負うことから逃げてるに過ぎないのだ。
 剣を持つなら殺せ、殺した相手を憶えたらもう一つ肉塊を増やせ。これを是とし、誰に言われずとも繰り返した果てに剣豪が生まれる。
 我の剣は、誰かの業を生み出して背中を押す一振りである。

「ゆーぜぁせんぱい。これ___」
「そうだね、現代文で書かれてる。加筆された跡はなく、かと言って紙はもはや黄ばみを超えて茶色だ」
 いくら機械でスキャンしてもやっぱり他の古紙と同じだ。
 自分はラ・ユーゼァ。今、後輩の子と一緒に特別資料室に来ている。
 目的は、教授に頼まれた“神具に関する特別調査”の内部資料捜査。いわゆる伝説の剣のありかとかを探すためのものだ。
「ところでこれって退魔師連盟から直接来たものなんですよね?なんで今になってこんな事を?」
「最近特級退魔師の……えっと……苗字が地味な 人が死んだからだよ。神具をコピーして使えるっていう所謂俺TUEEE系だったらしい?まあ、コピー出来てる時点でジョン・メイトリックス的な奴だったことには間違いない」
「つまり武器が壊れたから素材集めて代用品を作るってことで良いんですかね……ん、つまりファントムソードを集めるのを手伝えって感じ?」
「___ファントムソードが何かは分からないが、多分そう言うことなんだろう」
 相手の言うことに困惑しながらも、文献を読み進める。
 今読み進めているのは、絶切剣と呼ばれているジャンルのものだ。
 メジャーな武器に関しては初手で調べて報告しているので、調べに行ってもらっている。ただ、これは聞いたこともない知名度もない武器群だ。
「これって報告するべきなんですかね……?」
「んんんんん……ふぅむ……いや、調べはするけど何かの悪戯かもしれないし。あまり考えなくても良いだろう」
 全てにおいて不思議なのは間違いない。しかし、このような書き方をする偉人は居ない。居るはずもない。
 時代背景を考えれば思考そのものが俗世を捨てており、近世までの価値観……政教分離のせの字もない時代にこんな事を書くのか。
 イレギュラーとして奥に押し付けられたには違いないだろうが。
 考えても異質なまま、後輩に声をかけられた。
「せんぱい!あれ!」
「資料室では静かにした……ま______!?」
 後ろを振り向く。
 ホログラムのような、中国の重そうな服を着た奴が立っていた。
『その書物を開いたな』
「あ、ああ……君は誰だ」
『“君”?“君”か……対等に話そうとしてくれる人が居るとは思いもしなかった』
 髪が長いが男らしい。
『ふむ、ともかく名を名乗ろう
 我は深、剣を作っている者だ。その書物を記したのも私になる』
「もしかして君はこの書物の中に組み込まれたプログラムか何かか?」
『いや、その本を通じて今本人から君たちに話しかけている。要は通信機器という扱いだ。
 開かれた後に私の方へ知らせが来てね、それで空いたと言うわけだ。これでよかったかな』
 頷く。
『ありがとう。では、まずその書物を開いた理由を聞こう』
「上からの頼みかつ此方の勝手な事情ではありますが、貴方の刀が必要って時が来ましてね。許可が出るわけではないとは思うんですが、死人のままで居てくれるなら武器として持っていく予定です」
『ほう?君が使うわけではないんだな』
「あくまで調査ってだけなので」
 中国野郎は、何かを考えたかのように自分に問いを投げてくる。
『使う奴らは?』
「退魔師だ。悪魔を殺すために、自分の身体を張る人たちの事。優秀な奴が一人減ったから、武装補充のために駆り出された」
『そいつらは悪魔を殺す事に何を思ってる?』
「それはせんぱいじゃなくても分かるっす!もちろん“悪魔を殺して人々の平和を守った”で____」
「“何も考えてない”」
 言い切る。
 正直、退魔師がそれを考えてるはずはないだろう。
『ほう?』
「何も考えているわけがない。御三家などとほざく時点で目の前の悪魔に対して感情を抱くわけがないだろう」
「せんぱい!なんでったってそんな事を言うんですか!」
 模範解答を拗らせるか背く野郎でなければあんな事を書くわけがない。それに、そういう奴らほど伝統に拘るからわざわざ監視するような頭は持ち合わせていない。
『君自身は戦わないのかな』
「自分は一般人だ、戦うのは退魔師の仕事だろう」
『今やってる事に誇りは?』
「ない」
 それも言い切る。
「やれる事をやるだけだ、間違いだと思えば糾弾すればいい。だが、悪魔からこちらを守ってくれる以上一回は真っ当な仕事をするべきだ。それで批判する権利が生まれる」
『ははっ!愉快だなお前は。そうだ、名前を聞き忘れてたな。名はなんと?』
「羅宇澤(ラ・ユーゼァ)……奇しくも時代は違えど同じ土の血を引くものだ」
『羅、羅か……』
「何か?」
 深は、何かを考えるかのように顔を下に向ける。
『いや、ユーゼァの眼と声と肌、見知った奴に似ててな。まあ気にすることはない。君のいる時代にはとっくに死んでる____』
「せんぱい!」

 扉が破裂するような音がする。
『ん?』
 3人でそちらの方向を見ると、此方よりは少し下の少女がいる。顔は見覚えがある、前に大学を襲った悪魔に似ている。
「貴様、貴様がユーゼァ!よくも、ふた年も前は姉を!」
「襲って返り討ちにあった方が悪いだろう。君の姉は随分と美人だったが、こっちには守るべき友が居たからね」
 しかし困った。前みたいに頼れる兵もいなければ、何かしら使えるギミックはない。一回トラップとして使ったら怒られる大事なものばかりだ。
「せせせせせせんぱいどうするんですかこれ!」
「家畜のように逃げるのも、言い逃れすらも許さんぞ!守衛の魔術師とも名乗っておったな!」
「常日頃は中二病が抑えきれなくてヤン・ウェンリーの真似をしてるだけだ。しかしどうしたものか、対抗手段がない」
 困っていると、ホログラムの鍛治が何かをやっている。
『退魔師に関しては後で聞くとしよう。そこのお嬢さんには任せられないから、こいつを受け取れ』
 書物から光って、ある刀が飛び出してこっちに飛んでくる。
 キャッチすると、日本刀のようだが銀色が多い。鞘から引き抜くと、それだけで音がかなり鋭い。金属音に鈍さなど微塵もなく、その澄んだ音が心地よい。
「せんぱい!その刀……すごい音する……」
「どうしてだい?ただの鋭い刀だよ。殺す道具としては最上級」
「心の中が切り裂かれて、空いた感覚……せんぱいは無いんですか!?」
 何を言ってるのかさっぱりわからない。刀の音一つで驚くとは、悪魔に恐れて混乱しているのだろう。
 無理もない、こっちは普通に対処しようとしたら出来なくはない上に実際した経験がある。そこの差はすぐに埋められない。
『ユーゼァは怖くないのかい?』
「業物を持って怖がる理由がない」
 剣を軽く振ると、空気が斬り裂かれてる音がする。本当に空間の先へ行けそうなほどだ。
「かかって来い。恨みがあるのは自分だろう」
 怒り狂って襲い掛かるのは自明の理。
 相手の腕をとりあえず避けて、自分を出口側にする。そうすればこっちにしか目が行かなくて、人質を取ろうとすら考えない相手ならこっちに飛んでくるだろう。
 攻撃をもう一度避けて、廊下に出る。
「随分と一直線に来るじゃないか。退魔師じゃないからと、何の捻りもなしに殺せるとでも思ったか」
「はなからそのつもりで掛かってはいない、姉を殺したやつともなれば!」
「おや君は姉の死に様を聞いたのかい。こちらの策にまんまとかかって、散々暴れた後に肉片になっただけなんだが」
「貴様!」
 義に燃えるやつは、燃料を入れれば暴走するに決まってる。肝心なのは、放り込むのが油か石炭かを間違えない事だけだ。
「こんな無駄話をしに来たわけではないだろう」
 相手の攻撃方法は、爪を使った素早い攻撃。爪といっても所謂アイアンクローだが、悪魔という身体能力が非常に高い種族だからこそシンプルな武器の方が火力が出る。
 相対的どころか圧倒的に不利なのが人間だが、そんなの悪魔でなくても最初から分かりきったこと。
 鉄の爪を刀を振って応戦すると、爪が豆腐のように切れ落ちる。
「な」
「随分と焦っているようだが、まさか手は尽きたと言うまいな」
 ノリで霹靂布袋戲みたいな事を言う。これくらいの方が、相手の常識に合って会話が捗る。
 爪の替えが出てくれば、振りはせず横に構えて防御する。刀の方が何事もないように、音も小さく澄まし顔には相応しい美しさを保っている。
「一手加えれば、その首も焦土の鉄にて食い破ってくれようぞ!」
「よろしい」
 刀をそのまま押し出す形で、力を込めて突き出すとノックバックで相手との間合いが取れる。
「次の一撃で、貴様を夕餉の主食にしてやる!」
「随分と勇ましい事で。此処は勁力で方を付けようじゃないか」
 無論勁力なんてものはまやかしにすぎない。そんな第三のエネルギー源があるなら、それを頼って鍛えれば悪魔など退魔師が居なくても何とでもなる。
「血爪・矢速!」
 随分と野生な技だ。矢の速度にて、此方を刺して晩酌のステーキにでもするつもりだろう。姉が炎を操るなら妹が使うのもまた道理と言ったもの。
 ただ直線で仕留めようとするのは愚の骨頂。相手が自分と比べて格下なら使う手立てが搦手を利用した確殺よりも、シンプルな速度とそれから生まれる破壊力がものを言うのは間違いじゃない。自然界は実質そうだ。
 最も自然界でも弱い種族は、何かしらの特技を生業にして捕食者から生き延びる。擬態にしろ、進化した部位を利用するのもその一つ。人間だって素の能力で言うなれば脚の速さは猫に負け、腕の強さはゴリラに負け、鳥のように空は飛べない。だけど、その代わりに知恵があり____その局地に生存権を獲得し、生活を豊かにする“道具”がある。
「では、これで終いにしよう」
 剣を向けて、何か魔法のようなものを使うそれっぽい動きをする。
「月抜・呑贄!」
 曇りなく自分の姿を映す剣を撫でて、血を垂らす。
 刃に指の血を塗りたくった後に、真っ直ぐに向かう相手には振り下ろす。血飛沫が、この世のものとは思えない鋭い刃から音が出るスピードである程度の量が飛んでくるのであればまずその一撃で相手は急激に減速する。
 そうしてゆっくり飛んできた相手に向かって、刃を上にして斬り上げる。
「か、はぁ……!」
 一回転して、地面に叩きつけられた彼女はぴくりともせずにそのまま気絶。肩を叩いても反応はなかった。
 見てみるとかなり深く胴体を抉ってしまったようだ。
 やっぱり悪魔は民間人に殺せやしないか。

 鞘に収めて、相手に返す。
 書物の中に使った剣が吸い込まれて消えていく。
『いいのか、これを振ったら気に入りそうなものだが』
「退魔師が手に入れたら天降りも殺しかねない。それはいい事なのかも知れないが、自分はごめんだ。人の中の悪い心が悪魔になるなら、その付き合い方を考えた方がよっぽど効率的だろう」
 そこら辺にあった席を借りると、別の場所から走ってくる奴がいた。
「留美じゃないか」
「悪魔はどこ!?」
「そっちだ。上手いこと気絶させといたからよろしく」
 見送ってから、後輩に書物はテーブルの上に置くように頼んで、会話再開といこう。
『それにしても見事な剣捌きだった。現代ではあまりそう言うのは習わないと聞くが、何処かで教わる機会があったのか?』
「習ってない、相手を殺す事だけ考えれば己と太刀筋は見えて来る。ただ今回は道具が凄く良かった、悪魔の猛攻をものともしない剣があるのは非常に素晴らしい。ありがとう」
『どういたしまして。そうだ、ところで剣の貸し出しについてなんだが____』
「要らないよ」
 即答する。
 答えなんて引き抜いた時に出てる。
「僕は引き抜いた時に何も思わなかったが、後輩は引き抜いた時に怯えた。持って引いたら何を思うか、恐怖で気絶するだろうな」
『それが退魔師とどう関係があるんだ?』
「殺すための道具を実物で見たら驚くのは普通の反応だ。これでも____僕も心拍数は高くなっててね」
 自分の胸に手を当てて相手を見る。
「退魔師が引けば、誰かを消して超えられるだろう。悪魔も霊力があれば何とでもなるだろう。でも、そうなればあの刀を持った奴だけが好き勝手に暴れる。それも気に食わない」
『話が見えてこないな』
「特に理由がない限りこれはない方が楽しいって事だ」
『そっか』
 随分軽いノリだったが、分かってくれたようだ。
『では、お力添えは基本無しと言うことで。ただ、二人のことは気に入ったので何かあればこの本を開いて“出て来い”って読んでくれれば、いつでも駆けつけてあげよう』
「ありがとう。じゃあ」
『ああ』
 ホログラム的なものは消え、ただの書物へと戻る。
「せんぱい……今の何だったんでしょうね」
「何だったんだろうね。ま、何もなかったって話とけば」
「えぇ〜!?せんぱいの手柄にしないんですか!」
 振り向いて、後輩に笑いかける。
「留美の手柄にしちゃうさ。
 道具が良くて運がよかった、そうでもしとかないと面倒なことになるからね」

 祝杯は一人で上げに行こうか?
 北京ダックとか食べたいな。
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楊貴妃さん (7oskzwxe)2022/3/20 22:53 (No.91920)削除
奇妙な売り手



 小さい神社が襲われている連絡を受けて、例の事件から帰りがてらだったものの見過ごしては置けないと行ったが、既に混戦状態だった。
 一般人が剣を持って、ひっきりなしに襲ってくる。
「こいつは相当拙いな」
 ニーベルンゲンに煙管をこんっと当てて、剣に変えて振って払う。
「悪いが素手でお願いできるか!」
「了解」
 こっちは体躯が小さい以上武器を振り回しても致命傷にはなりにくい。それを利用して、剣を振り回す時に上手いこと絡めて回す事で転ばせる。
 いかんせん夜間なこともあり人数不利が拭えない。
「こいつら動きが俊敏じゃないが、雑多すぎて逆に対処しにくい、力業が通じなくなるのも時間の問題だろうな!」
「ステゴロに慣れませんね。一人鼻をへし折ってしまった」
「殺してないならいい」
 足を踏んで戸惑ったところを、腹を蹴って石楼にぶつけて気絶させる。魔人とはいえ子供の脚力に殺生力は期待してない。
 そうやって、戦闘員を着実に減らしていったところ。
 急に、鍔迫り合っていた剣が床に落ちる。
「なんだ……?」
 相手を見ると、狂気に歪んだ顔が元に戻ってる。剣を握ってた筈の手は、ゆっくりと開いている。
「中々やるじゃないの」
 声をかけられて振り向く。
 自分と同じくらいの身長の女の子がそこにいる。剣を煙管に戻して、火をつける。
「流石の剣術……さて掠風竊塵殿は現世にどのような興味があって黄泉からお帰りに」
「いやはや、掠風竊塵の凛雪鴉はこんな髪色はしないだろう。マゼンタ?いやピンクと言うだろうな」
「ほう?平成を静脈に直打ちしたわけでは無いと」
「失礼な」
 無礼な物言いも辞さないのには驚いた。が、違う。聞きたいのはそこじゃない。
「ところで、お前はなんでこんな事をした?」
「武器の調達と言ったところかな。世の中には名もない妖刀魔剣の類いが無数にある、それを呪術師達に売るのが仕事でね。
 今気が向いて振ってみたらこの始末。いやはや困ったが、このまま問題児を引き寄せて殺そうと思ってたんだが別の獲物が引っかかった。
 これが事の顛末だ」
「もしかして陽炎の構成員か?」
 まさか、と鼻で笑って剣を出す。
 東洋剣に近い紫の刃を見せて微笑んでいる。
「まさか!日本転覆を狙う呪術師はあれ以外にも居る」
「正体を明かせ、名前を言え。でなければ武装を解放してお前を蜂の巣にする」
「伝えても尻尾を掴めやしないが、黙秘権を行使させてもらおう」
 剣を持ってこちらに上から切り掛かってくる。
「ニーベルンゲン!」
「ではこちらを」
 腕部追加装甲が変形して柄になる。洋風の剣風のこいつを握ると、呪力の量子刃が生成される。
 それを力任せに振り回して弾き飛ばす。
「下がれ、避難させることに専念しろ」
「了承」
 そこにある剣を取って、双剣として構える。
 着地した相手との間合いは互いに5歩進んだ先だ。
「侍らせてる機械がすごく興味深いものだ。君を殺して、頂いていくとしよう!」
 相手の方から詰めてくる。
 振りがあまりにも素早く一直線なため、一刀を丸々防御に回しても反動で腕が痛くなる。
 量子刃を相手に向かって突き出すが、ジャンプして避けてこちらの剣を支点にして捻りを加えた跳躍からまた振り下ろす。
 それもまた拾った剣で受け止めてから逆手持ちして剣を離し、接点を無くせば自由落下で隙を晒す筈だ。
 が、相手は殺し合いに慣れているのかそれともど素人なりの応用か。空中で細かく変わる重力バランスを無視して、今度は切り上げてくる。
「ちぃ!」
「変則攻撃で力を歪に与えれば、その剣は折れる!」
 拾った剣は螺旋のように捻れて、弾け飛ぶ。
「金属疲労を与える天才か、随分と厄介だな」
「どうするかね、量子刃であればいくら折れても構わないが双剣の手数で無ければこっちに攻撃を当てることは叶わないぞ」
「どうかな」
 剣を振ってこっちから襲い掛かってみる。
 地面を走ってからの切り払いをかけると、避けて上から振り下ろされる。
「貰った!」
 量子刃を全て解除して、剣を受け止めず自由落下状態の相手の鳩尾を拳で殴る。
「ぐぅ……!」
 苦しそうな叫びを上げるのを他所にして、その剣を壊す為に膝蹴りを刃面に喰らわせる。
 しかし元から疲れてたのか高速戦闘により回らなかったのか判断能力が鈍ってその選択を取ったのを後悔した。
「が、ぁぁあ……!」
 刃は折れたものの、膝蹴りをした右膝からはまっすぐに断面が入って血が噴き出る。
「あらあ、焦ったね。
 しかしまあ、これで君はしばらく動けないだろう。いや、魔人だから再生は早いのか。どっちにしろ持ち帰りたかったものはぶっ壊れたのだからこれは商品にできないな。
 ____君の勝ちだ。喜びたまえ」
 膝を抱えながらも逃げていく奴を追うことはできずに、呻きながらも見送るしかなかった。

 ただ、魔剣は破壊して手に渡るのを封じることはできた。あとはそれを集めて呪術師に売り捌くやつもいる事も分かった。
 それはそれとして今は動けないので、ニーベルンゲンが帰ってきたらお姫様抱っこしてもらう。
「お嬢様!?」
「しくじった、魔剣を脚で割ったはいいがこっちもやられた。介抱頼んでいいかな」
 必要なものは拾っておいた。
 報告をするだけだが……問題があるとするならば。
 しばらく私の意識のまま耐えられるかどうかだ。彼女にこの痛みは重すぎる。

「ところでノリで動いたら煙管が剣になったり量子刃の剣も出てきたがどう言う仕組みなんだ?」
「そういうのを考える人も居ますから」
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雛菊さん (7t9hqqkp)2021/2/14 22:33 (No.68838)削除
研究室のお姉さん。
指名されたら使う程度のサブキャラとしてこちらへ。
不備があったら教えて下さいまし。

【名前】新島 成(にいじま せい)
【性別】女
【職業】日本退魔連盟研究室所属
【年齢】34歳
【容姿】
画像参照、167cm。
基本白衣を着ており、完全に偶然だが弟に似た姿になっている。
目が淀んでいる気もしなくないが
金髪赤目、なはず。
髪型はアップスタイル。
【性格】
口調はクールだが、意外と明るいお姉さん。
生き別れの引きこもりの弟をずっと探していた(過去形)
ブラコン気味。

基本人だろうが悪魔だろうが自分だろうが全肯定で褒めまくる。
尊い命なんだ。
悪い事しても全く咎めてこない。

罪悪感が皆無だったり、
切り替えがめちゃくちゃ早かったり、目的の為なら手段を一切選ばなかったり、人の死や痛みに無感情的だったり。

酷な実験に早々死なないから大丈夫よ~と無責任な発言を飛ばしたり、人の痛みが分からなかったり。
サイコパス度高めなのかもしれない。
ただし礼儀礼節は重んじるタイプである。
【神威】契約に踏み切る可能性はあるが今のところ無し。
【代償】神威と同じで無し。
【武器】
強いて言うならその性格(…?)
【備考】
おにーさん 誘拐 ヨシ!
苗字と弟の記述の通り、新島隻の姉である。

11年前に生き別れた弟を探す為にそれっぽい金髪を老若男女悪魔魔人問わずナンパしまくっていたが、
最近弟らしき人物が偶然連盟の支部に来たことによりその癖は消失(たまにやるかもしれない)

現在、近付く為に弟周りを調べている。(法にはギリギリ触れない範囲で)

紫椛音ほむらに関する研究や、人体に悪魔を根付かせる研究に携わっている。
勿論研究対象も全肯定。
ずっと一定、ちょっとクールな優しいお姉さん。
ただし何の説明も無しに大丈夫!の一言で酷な実験に送っていくとこは…まあ…

金髪であれば見境なく声をかけていた為、近所では金髪好きの怪しいお姉さんに見られている様子。

職業の割にアウトドア派

相手に好意があるかのような言動を無意識で取りがち。
尊い命とは思っているが好意とは別らしい。
【SV】
『新島成よ。
気軽にせーさんと呼んでちょうだいね』
『あら…あなた、綺麗な髪…シャンプーはなに使ってるの?独自にケアをしていたりするのかしら、良ければ教えてほしいわ』
『この後、良ければ私の研究室に来ない?私は素敵なあなたに興味があるの』
『遂に見つけた…今日で11年ちょうど。長かったわね…さあて、どう近付こうかしら。
…そもそも、私の事忘れてないわよね?』
自分で描く際に変わる細かいとこが変わる可能性はあります
雛菊さん (7t9hqqkp)2021/8/31 16:12削除
サブキャラ用としてこのスレッドを使うことにしました。

北渡熾家の神様兼、夜神さん宅の天狐ちゃんの親代わりです。
契約者は彼女含めて現状二人なので凄く危うい気がする

【名前】
"夜渡星"
ヨドホシと読んでいるが
本来別の読み方であったようだ

【性別】外見は男
【種族】神
【神社】北渡熾の祠
【容姿】
画像参照。
ケチャップはさーびす
基本身長は170cm
ハンバーガー四つ分から2mまで可変。
左腕の代わりに太い針金のような物が生えている。
不思議なことに自由に操る事が出来るようだ。
基本的に上は着てないか着物。
【性格】
一言で言えば無口。

元々そういう性格と言うわけではなく、
声が枯れている事と、存外ゆっくり言葉を紡ぐ事から喉に問題があるらしい。

スキンシップ多め。

契約者達の母を自称する良くわからないなにか。
子供と認めた者以外とは契約しない。
神様だけ何を考えているんだか良くわからないが、契約すると決めた者に対しては優しい。
ただ自称するだけあって契約者に対してのみ面倒見はよろしい。

【神威】
『アポイント・アタッチメント』
契約者の身体を御神体とし、ぬるりと出てくる力
契約者が居るとこあれば、
何処でも出現する。

『炎天転身』
あらゆる炎、溶岩ですら自分の身体。
あらゆる炎、溶岩を操る力。

これに加え、彼の身体に"触れた"、または彼が触れた無機物は炎に変貌する。
オンオフは普通に可能なので
辺りを燃やし尽くす事はない。

そも、触れた、とかいてある通り
実体化しないとまずこの力は使えず、

針金のようなで左腕で触れた物に限り、生命をも時間をかけて炎に溶かしたが、
信仰が薄れている、などの理由から
今はほぼ使えないような条件をしている。

炎と言う言葉が並ぶが、
"炎のみを操る神威"と言う訳ではなかった。
本来は熱の神威である。

【備考】
何処かの星の名前を冠していた神。
北渡熾家で代々祀られていたが
現在その家が壊滅状態な為、
祠に祀られている+契約者がまだいるから大丈夫、と言った状態。

火に関連する物がある動物(狐や蜥蜴など)とも相性が良い為、
契約者の性質次第でそういう神威を授ける事もある。

母を自称するだけあって子供ほど契約しやすいが、
無差別と言う訳ではない。
子供がボロボロな状態ほど契約したがる。

本来熱の神であったらしいが
だんだんと炎の神に変化しつつある。
水に弱く陽射しに強い。


元はいわゆる俺様系、ヤクザといわれるような沸点の分からぬ神であったが、近年になり性格が変わった。
【sv】
『お、れ…ェ…?おか、あさん…だよ…ぉ』
『おかあ…さん…は…子供を愛でなきゃ、な…ァ…』
『(頭撫で)
おか、あ…さんが…まもって…やるから…な』
病み男メーカーさまより
こんなにしっかりと着ているかはわからん
雛菊さん (7t9hqqkp)2021/9/12 22:03削除
陽炎の便利悪魔くんです

【名前】
くらげの悪魔
血を垂らしてくらくらしているくらげのあくま。
くらげの英名から取ってジェリーやら、勝手な名前を呼ぶ、または呼ばれることが多い。

一番反応がいい名前は
ドイツ語でクラゲを意味するらしいクヴァレ、かっこいいので
【種族】悪魔
【ランク】二級
【性別】男
【年齢】
見た目は高校生ほどに見える、
実年齢は80~見た目通り。
若い方だとは思われる。
【容姿】
画像参照。
紫がかった桃色の髪に紺のメッシュ、空色に近い白い瞳。
伊達眼鏡。
蛍光色やカラフルで派手めものが好きで、服のセンスは人からみて微妙と捉えられる事が多いので
基本は他の人チョイス。
一人で選ぶと
『愛死天流(あいしてる)』とか書かれた文字Tを持ってくるので危険。
【性格】
悪魔にしては穏やか。
普通に接している内は普通に人間らしい子。
知識欲高めで理解力が高く、
頭が良い方。
ただし知識欲の全ては
血流を良くしたり、血液をさらさらにしたり、血を増やす方面に行く。
好きな事になると興奮しがち
【呪術】
『くらげすいっち』
自身の血を垂らした場所同士にワープできる呪術。
垂らした血は即座に消え失せるが、
仲間と指定した人にはワープポイントに大きなピンクのくらげが見える。

ワープポイントは5ヵ所。
上書き保存タイプ。

彼自身が傷付いた時に流れ出た血も即座に透明になる。
しかし
まあ 血がちょっとでも垂れてしまったらそこがワープポイントになるわけでして。

ね?

【備考】
陽炎に所属する悪魔。
呪術がとても便利、
それに合わせるように訓練した為潜入特化型かつ逃走特化、
こちとら軟体やぞ。

人を襲うと言う本能的なものはあるが
呪術のせいなのか、他より若干、かなり抑えめ。

彼が生まれた原因は負は負でも
哀や悲に関連する。

血流や血液にとても気を遣っている、人間ではないので効果のほどは不明。

また、人間の形をしているだけでくらげの特徴を有する為、
腰辺りに自由に動かせる紐みたいな触手なにかが生えていたり、それを触るとくらげに刺されたように手が軽めに痺れたり。
身体がひどく柔らかく、
水分多めでつるつるしていて、ぷにりとした感触だったり。
栄養価が低かったりする。
(ただし呪力的な意味で)
本物くらげの毒に限り耐性アリ。

水中での浮遊力がとても高いので浮き輪代わりになるが、流れるプールでないと泳げない。

掃除が死ぬほど苦手、逆に散らかす。
【sv】
『僕かい?身体の特徴はくらげと同じだけれど…そういえば名前を決めた事は無かったね。
適当に呼んでくれて構わないよ。』
『ん?どうしたんだい、そんな顔をして。
悪魔と言ったって肉以外も食べるさ。
それに、これをたべると血流がよくなるらしいからね!』
『うん、僕は頼りになるだろう?
もっと頼ってくれても良いんだよ。
ほら、遠慮せず、さあさあ!』
雛菊さん (7t9hqqkp)2022/3/20 02:05削除
※キャラ投稿にある永夜灯歩夢の方も参照してください。


失踪してから時が1ヶ月は時が立っていると想定しています。

【名前】
永夜灯歩夢(えいやとう の あゆむ)
【性別】女の子(無性)
【年齢】28歳
【職業】元退魔師
【神社】無し
【階級】元一級
【亭号】返上済
【容姿】
基本は画像参照。

白髪青紫目、ぱっつん前髪。
140cmほど、かわいい女の子。
夜空をもしたふわふわポンチョとふわふわドレス。


白い布のかかった車椅子をいつも押している。


【性格】

無邪気で元気で、若干天然。
…言動や行動は幼いが、頭は28歳のもの。
駄々をこねていいと判断した時は思いっきりこねまくる。

集中すると周りがみえなくなるのと、人を無意識に煽る癖が有る。

弟が、大事。

【神威】
『ぼくの白桃さま』

戦闘能力なんて無い、動かない。

ただ神威で出来たぬいぐるみ。

車椅子につりさげている。

【代償】

「白灯神が不定期に身体や記憶を弄っていく」

過去にやった事

1.白灯神が"不要"と判断した歩夢の記憶を片っ端から消す

主に性関連の知識が消えている。
と言うか定期的に消している。

記憶が消される頻度が高くなった。
非常に忘れっぽくなっている。

2.無性化
元は女性。
中性ではないので当然何もない、マネキンみたいな身体をしている
『本当は男の子にしたかったけど、自分のポリシーに反したのでやめた』とかなんとか

3.年齢変更、固定
(見た目ギリ小学生…?)
元の状態を保ったまま小型化した感じ、数年前までは普通に大人の姿だった。


4.

自身の魂を握られている。



神威返還につき、
お肉は食べられるが、まだ退魔師時代の癖が残っているため抵抗がある。


【武器】無
【備考】
いつもいつでも車椅子を押すただの女の子。

退魔師時代の記憶は朧気。
失踪した時は覚えているが、実感がなく、
友人に大変なことをしてしまったなぁ、と思っている。


車椅子の白い布の中身は弟。


何故か機能する布地で出来た両腕と両足を持ち、目に包帯をし、喋らない。

生きてはいるようである。





もう一人の弟を探しているような、探していないような。


そういえば、




弟の名前、なんだっけ…?

【sv】
『歩夢です!
よろしくお願いしますねー!』

『ぼくの大切な、たった一人の弟ですからねー!お世話大事!』

『ねえねえ、もうひとり、探してるんです。
何処にも居ないんですよ、
ぼくの目の届かない場所に行くはずないのに!


……あれ、ぼく、何か言いましたか?』
可愛いでしょ。
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返信3
雛菊さん (7t9hqqkp)2022/3/20 01:33 (No.91863)削除
ある退魔師の手帳









__

1月

気付きました、
記憶を消されるなら、
とりあえず書いとけば良いと!

ぼくってば天才!

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喜んでたらすぐにばれました~!!!!!!

でも書いて良いって!
やったー!

とりあえず今日はお休みだったので、
弟たちとい~~っぱい遊んできたのですー!

(以下、買ったものに関しての細かな感想が並ぶ)

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1月 日

わ、ぜんっぜん書いてなかった…!
三日ボーズどころじゃないですー!

まあ、いっか!
落ち込んでても仕方ないのです。

これからは記念日に書くことにしよ
よーし!がんばるぞー!

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2月14日

ばれんたいでー!です!

去年は何か楽しそうな事が起こっていたような!

今年は何かあるのかな?

ないのかな?

チョコレートみんなに配るの、楽しみだなー!





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特級の方が死んじゃった。

死んじゃった、死んじゃった…

あの人のお名前は確か

あれ、
さっきまでちゃんと、ここにあったはずなのに、忘れちゃった

あとできかないと、


ぼくは伝とう亭号を受けついだたいましだから、

代わりにたくさんがんばらなきゃ!

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そうだ、
お仕事空いたら、お墓参りにも、行かなきゃ!

お返し、出来てなかったし、
甘いもの、買ってお供えしなきゃ

…なんでお返し?

なんで甘いもの?

ううん、これより前は書いてなかったから思い出せないや、

早めに始めておいたらよかったー!




__





3月3日

ひな祭りだー!!

京かちゃんがうさぎの日です!って言ってたから、

うさぎの日のお祝いと、明里ちゃんへのお誕生日プレゼントと、


今日中に渡せるかなあ




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ホワイトデーのお返しにもらったケーキを白灯さまのお供え物にされちゃった

あー!!良いですけど、良いですけど
それはぼくと弟たちで食べるケーキだったんだー!!

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ぼくは、別の仕事にいってたから
なにもしらなかったけれど。

つぎのときは そのときはぼくも行かなきゃ。

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(文字は薄かったり濃かったり、誤字が目立つ。)

まさかとっきゅ 、のかた、
しんでしまうなんて、

あれ、ま、にもこんなこと、あったような?

さのせいか、ぁ

あ、こんなときのた、のてちょ ぅ

はゃ、

(鉛筆が強く押し付けられたような跡と、液体が染みた跡。)

____________




_これ以降のページはまっさらだ。

__











なにがあったんだっけ


最近、すごく忙しかった事だけ覚えてる。






さっきからはくとうさまのしんぱいするこえがきこえる。




でも、だいじょぶ、だいじょーぶ、
ぼく、おやすみ、もらったから。














知ってる影が、通りすぎてった気がする。


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この世は不条理だ。


私の繋がり、私の眷属。


生まれてきた人間すべて幸せにするのだって、

これしかない、考えられない。


この世は、本当に、不条理だ。






___


3月某日、


調査報告書。




現場は家具等が散乱し荒れ果てており、床に多量の血痕が見受けられた。

一部に染み付くような呪力の痕跡が確認される。

血痕等から対峙したであろう退魔師は三級二名。


うち一名、行方不明。

うち一名、現場にて右腕のみを発見される。

______は未登録の______と推測され______



また、現場に蓬生一級の物と思われる退職届と手帳が落ちており、
この襲撃の第一目撃者とされるが、既に消息不明で______


~~~~~~~
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名無しの劣等さん (830zt69z)2022/3/19 02:54 (No.91815)削除
【冥き途】






_________


______


___ふと意識が浮上する…。

長らく眠っていたのだろうか…寝起きに似た、ふわふわとした感覚が体を支配しており、思うように動かせない。

手足を少し動かすのすら億劫に感じられてならなかった。

いつもの朝はこんな感じではない。この感覚…この感じ…あぁ……忘れかけていた、忘れようとしていたが、一度だけ…確かに、私は人生で経験していた。

これは、そう…"死の淵を彷徨った時"と同じ感覚だ…。

あの時は、私がかつて産まれ、そして育ち、住んでいた村が一匹の…一人の…?悪魔に襲われた時だ…。

つまり私はこの人生でニ度、死にかけた訳だ…いや、死んだ…と表するのがきっと正しいのだろう。

私は生きていながらに死んでいた。
それを悟られまいと無意識に動き続けていたのだろう。
その結果として私は確かにこの世界で死にながら生きていた。

まるで魔人の様だ。死体なのに動く生命体。
何の皮肉か、私は悪魔を殺す職業でありながら、悪魔に好かれやすかった。
私が私であり、生きていたからこそなのだろうか…?

「   」

何かを喋ってみようかと口を開いてみるが、出てくるのは無機質な無の音のみだった。

ならば眠る前に何をしていたか思い出せるだろうか…。少しだけ意識してみる…。

あぁ、ダメだ…ふわふわとした感覚を払おうと意識は抵抗する、自我もそれに参戦する。だが、体は優しく包まれるようにして懐柔され、それらに反して全く動いてくれなかった。

思考も徐々に霞みが掛かるかの如く曖昧に、朧気に、散り散りになっては雲散していく…。

試みは失敗に終わる…と、思われたが、最後の最後に気力を振り絞ってみた。
そうすればどうだろうか、少しずつではあるが、思い出してきたではないか。
やれば出来るものだ…。

ぽつぽつと浮かんでくるのは一番新しくて最期の記憶。

白い髪の男と口頭上でだが、契約を結んだこと。
そして彼の体を屠った事。
出てきた本当の彼自身の為に、入れ物となる体を用意した事。
その後、彼の所属していた組織と暗に繋がり、奔走した事。
そして、詰めとしてアルビノと呼ばれる者と紙袋を被った大男を呼び集め、準備をしっかりさせた上で最後に掴んだ目標の居場所を教えた事。
最後に足止め…否、時間稼ぎとして…イーリアと呼ばれる目標の男と相対した事…。
…二度目の相対では、周りに皆が居た気もしたが、もう目も霞み、状況は掴めなかった…だが、果たすべき事として、己が内に居た神を開放した…。

そこで全ては終わった。

そう、終わったのだ。

本来であれば死んでいた私を、神が気まぐれで、…いや、あの者もきっと生きるために、無かったはずの人生の延長線を歩んだ…。

だが、それも役目を果たし、私の体、そして命は本格的に終わりを迎えるのだろう…。

二度死んだ男、ふむ…小説にするには面白そうな題である。

消える瞬間だと言うのに、何とも呑気な考えが浮かぶものだ。

きっとこれが、本来の私なのだろう。


………。

あの子は大丈夫だろうか、生きて行けるだろうか…。

愛を知ろうにも、全てを知るに足らなかった私が、出来得る限りの愛を注いだ、愛娘…。
本来悪魔であるのに、私に強く懐き、我が子同然として一緒に居たが……別れというのは唐突すぎるものですね…本当の親や家族と別れたときも同じだったのでしょうか……。

雪吹くん……貴方は、きっと貴方が思っているよりもずっと…ずっと強いですよ…。
優しさを知っている、弱さを知っている…人間でありながら、悪魔の事も己の如く労れる…。
貴方は純粋に力を欲していましたが…本当の強さは、既に持っている…。
先の成長を見守れないのは、口惜しいものですね…。

雨月くん……ごめんなさい…最後に結んだ君との約束は、どうやら守れなかったみたいです…。
無邪気に笑っていた貴方の顔は、とても素敵でした…。
ですから、その笑顔を曇らせる結果となってしまったのは…申し訳無い限りです…。本当に…ごめんなさいね……。

唯弦…唐突なお別れとなってしまいましたね……あなたの笑顔…最期に見たかったです…また…抱きしめたかったです…作ったお菓子を…また、食べて…頂きたかった………。



薄れ行く意識の中、まるで走馬灯のように強く関わりを持った者達が目の裏に浮かんでいく。
現れる度に、その一人一人に謝罪の言葉を、届かぬはずの思いを、出ぬはず喉から音を絞り出すように、綴る。

そして彼の意識はゆっくりと、まとわり付くように、抱擁されるように、闇の中へと溶け込んでいった…。

































_______________________________________



_____…ふと、瞼で閉じた瞳が光で焼かれる感覚を覚える。

永い、永い眠りの時から目覚めたかの様な気怠さが全身を覆っている。

ゆっくりと瞼を開き、光の眩しさに目を細めてから徐々に慣らしていく。

漸く慣れれば、視界に広がったのは何処かの洞窟だろうか…?岩や土が荒々しく剥き出した天井と、穴が空いた部分から射し込む太陽の光、そしてその先には雲1つすら無い、まっさらな青天井の空が覗いていた。

己はどうやらここで大の字になって寝ていたらしい。

バキバキに固まった上半身を起こし、骨を鳴らしながら軽くストレッチをするように捻って動かした。

頭に靄が掛かった様な、そんな妙な感覚を覚えて顔半分を覆うように手を当てようとする。

その時に初めて気が付いた。

己の体は何やら得体の知れぬ、黒い靄のような、霞のような何かに覆われていた。
それはぐるぐると目まぐるしく蠢いており、生き物にも、雲のようにも感じられた。
雲ならば色は黒だから暗雲だろう。

場違いな考えを走らせながらゆっくりと起き上がる。

不思議と体を纏うコレに不快感を覚えたりはしない。
それどころか妙に落ち着くというか…いつも通り過ぎて、変に思えないと言うか……

…いや、待て。"いつも通り"…?
どういうことだ……いつも通りとはどういうことだ…?


そもそも己は一体…






「誰なのでしょうか……?」
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さん (89i47jf0)2022/3/18 19:42 (No.91794)削除
シャングリラの慟哭 小ネタ集
 
 宮藤官九郎の脚本みたいに、成りにしょーもない小ネタを散りばめられたらなあ、とメモっていたものを公開します
 
 慢性の病気で成りに復帰できる気配がなく日の目を見れなさそうなのでもったいない精神でアップします

 あくまでも周個人のメモで、ただの矛盾だらけの空想であり公式の見解ではないことをご留意ください
 







 神道系の極右が最大派閥 神社本庁が日本会議と繋がってるって噂あるよね、左翼界隈で小耳に挟んだ


 仕込み杖など暗器市場の規模がでかいか開発部ががんばっている パンピに持たせるとやばいので機密だといいな


 断絶したり没落した退魔師名家(連盟と歴史がある京都など想定)は小枝不動産に出る


 食器類は銀 中世の朝鮮とかヨーロッパの王族みたいに毒入りか確かめるため 祈祷かなんかで呪術入りなのかも分かる


 呪術師の皮膚のパッチワークのお守り?着物?装束?とか遺骨の粉末で作られたタバコとか、何しろスピリチュアルなのが御三家、研究施設に文化財的なアレとして多数残っている
 

 昔の呪術師は打ち首獄門、野ざらしだった 今は研究施設に死体が引き取られる 生け捕りだと研究者が喜ぶ 

 → だって人間の身で呪力を得て操るんだから何か身体に変化あってもおかしくないんじゃないかな あと単純に呪術師(凶悪犯罪者扱いの恥さらし)の身体は遠慮なく使ってもクレーム来なさそう特に御三家
 一族の恥さらしなんで遺族はどうぞご自由にって態度 モルモット扱い、人権はない ナチス強制収容の人体実験みたいなことするでしょ


 告発するメリットがある人間が存在しない よっぽどの事がないとバレないんじゃないかな

 → 遺族もどーぞどーぞって感じで、組織は古く血統主義と腐敗がはびこって構成員もだいたい尋常じゃなく呪術師などに恨みを持つ人かマッドサイエンティストだろうから

 → 一般家庭出身だとそうはいかないか 退魔師の雇用契約書に呪術師堕ちしたらどうなっても知らないよ☆って盛り込んでおけばいけるかな? 少なくとも身内殺された復讐パターンだったら悪魔ぶっ殺してやる!で頭いっぱいだからサインするでしょ

 → 呪対が常設されていることからけっこう堕ちる奴いるのかな? もし少なければ、人殺しに抵抗なさそうな人たちに予備自衛官みたいに定期的に魔型の訓練をさせた上で、不届き者が出次第臨時チーム組ませるはず その方がメンバーに流動性出て対策打ちにくいもん

 →ここまで考えて陽炎(元特級退魔師が首領の呪術師集団)の存在思い出した そりゃ呪対要るわ、警察のSATとか自衛隊の特殊チームみたいな立ち位置かな?  


 呪術師って人知を超えた力を行使する職業の人が悪い方向に使っちゃったからやばいんでしょ? 昔だったら一族郎党磔刑とかありそう、つか今も特級限定でありそう

  三級が呪術師→チンピラ 二級、そんじょそこらの一級→なんとか抑え込める 一級上位、特級→大災害

  特級単騎で日本壊滅できそう バリバリ戦闘向きじゃない燈浬さんも首相とかの要人に化けたり言霊でシッチャカメッチャカできるだろうし



 敷地が広く自然豊かな境内 時々お出でになった神さまが動物とか人間に変化してらっしゃる トトロみたいなのもいらっしゃる、宮崎駿がインスピレーションを得たって噂がまことしやかに囁かれている


 境内または付近でスリをしたりネコババしたり痴漢したり動物をいじめると極まれに神さまとその仲間たちにやらかしてしまい、死より恐ろしい目に遭う奴がちらほらいる

 → 初詣に多く、神さまパワーと連盟パワー(こういう時の連盟は一枚岩)で証拠は隠滅され闇の中に葬られる 不届け者は帰って来ても恐怖で何も言えないし、言ったら更にひどい目に遭わされる

 → 5chとかテレビで都市伝説扱いされてるけど、神宮の人々は真偽を明かさない ニコニコしてごまかす 肯定したら人権団体とかが絡んで面倒くさいことになるし、そもそも神さまに罰当たりな事する奴が悪いから全く同情しない


 そこらへんにいる狸や猫のボスはだいたい化け狸、化け猫、猫又

 霊力を吸収してしまうのか神さまが気まぐれに眷属にしちゃうのかな

 ふてぶてしいボス猫が特定の方向に向かってうやうやしい態度を取っていたらそこに神さまなど高貴な方々(?)がおわしますサインってのはるるぶ東京版に書いているくらい有名 まあいつもどおりの態度のもいるけど


 (油屋のお客様みたいなゆるキャラめいた)神さまに無邪気に絡む子どももいる
 霊力が備わってないと視えない?だったっけ?なんで主に御三家とかの幼い頃から神宮に来て訓練積んでる子

 失礼のないようにと子どもを神さまから引き離すとかえって機嫌を損ねられる だから遊ばせている

 ただし神隠しリスクあり 戦々恐々で遊ばせる もしそんな気配がすれば神職が神さまをお宥めする


 若くしての殉職率が激高だから退魔師になった子どもが成人式に振袖を着ていたり(20歳の誕生日、高校の入学式などでも可)結婚式、孫の誕生などの節目を迎える度に保護者やジジババは泣く特に退魔師家系
 一方で遺影を持って卒業式や成人式に参加する保護者もいる


 身寄りのない退魔師の慰霊碑がある 悪魔の慰霊碑もある 悪魔の場合お寺のご厚意で無縁仏があったりする(宗教圏関係なく悪魔は出るため)


 保育所
 保活は退魔師やと優先されるんじゃないかな? 境内に保育所あるかもしれない 夜間も病児保育もばっちりじゃないとダメでしょ

 境内か周辺に保育所がある 早い段階で神威を賜った子どもを保育するには特殊なスキルが要る おもちゃの取り合いとか駄々こねで神威を発動されたらたまったもんじゃない
↑いやでもそんな年齢から訓練漬けとかありえるのよね 退魔師の子どもととしか交流がないのか……


 学校
 堀越みたいな感じで公欠なんかにフレキシブルに対応してくれる。悪魔が襲撃したりするけど第九まであったよね?治安良くないだろうに(雨月さんに助けられたモブちゃんの小話にもそんな風に書いてあった記憶が)なんでそんな人数多いんだろ謎

 幼少期の訓練
 子どもをまとめて指導する方が明らかに効率が良いので退魔師の卵を集めて集団訓練かな? 本気でやってもらわないと秒で死ぬのでスパルタ教育 怒声や体罰がまかり通る伏魔殿 

ただし指導者が度を超えた指導やいじめなどすると神さまから天罰が下る そうでもしないと指導者の権力が肥大してカトリック教会の二の舞になる(聖職者による児童虐待がわんさか)ため神さまも労力を割く 麻団(周の成りキャラのワンちゃん)の大先輩?上司?的立場の神獣が監視係かもしれないね


 深川神宮の御三家とか退魔師家系の子どもは世界が狭い 物心ついた時から訓練漬けで、保育所も学校も退魔師または関係者だらけで外の世界を知らないし知ろうとしない
 
 付随する問題として思想が極右になったり顔面の良さと身体能力の基準がバグっている

 なんの悪気もなくナンパきもい〜とか芸能事務所とか水商売のスカウトうざい〜とか言う 周りの子もそれな〜で返す 

 男の子も逆ナンされたりイケメンゆえの女難に遭ってない方が珍しい パンピ女性に嫌悪感持ってるかもしれない ヤンキーのbio欄にありがちな男要らん卍卍のマインドで女要らん卍卍的な

 体育のサッカーの授業は超次元サッカーになってしまう パンピと試合すると一方的に勝つから退魔師志望同士でプレイする(男女混合) イナズマイレブン世界とは違いゴールネットはすぐ破れる

 ドッヂボールも、これほんとに人間がボールを投げた音なの?って耳を疑う爆音がする もはや大砲 神威なしなら身体能力は人間の範疇に収まるはずなのに、これ絶対まともに食らったら骨逝くか腹に穴開くわって本能的に思ってしまう でも退魔師志望チームは食らってもびくともせず和気あいあいでキャッキャしている

 退魔師男子は女子に手加減しない 本気でしないとかえって女子に失礼にとられる 戦闘民族なので、大人しい女子も守ってあげたい感じのかわいい女子も超次元スポーツのプレイヤーで、(中学とかから転校してきた深川出身じゃない)パンピの男子の幻想はぶち破られる

 教室に虫が入ってきたら(都会の学校は虫入ってくるんだろうか)動体視力の良さを生かして指でブチって潰して瞬殺 深川育ちのパンピは慣れている

 ちびっ子向け退魔師訓練所でもキツい訓練の休憩にドッヂすると思う イラストレーターが仕事の絵の休憩に落書きするみたいに 

 クラスメイトがよく死ぬ 卒業アルバムを見てみると入学式の人数と卒業式の人数が違う

 詠唱する系の悪魔は喋らせる前に喉潰す

 ひんぱんに参列するので深川の児童、学生は葬儀のマナーが下手な大人よりいい ただし神道式しか知らない

 命の重さを分かっているため喧嘩しても死ね!とか殺す!とか軽々しく言わない

 退魔師家系じゃない組はあいつらやばみたいに思う 伝統芸能みたいな世襲制の側面も持ってると思う特に御三家 閉鎖的で前時代的な感じ

 あと英才教育+遺伝で身体能力の高さが国体・オリンピック選手並み ←ケンガンアシュラの呉一族……

 霊力の問題で退魔師なれなかった組と故障組はスポーツ選手になったり指導者になったり肉体系の仕事に就きがちなんじゃないかな

 退魔師の卵だらけなので高御門さんと冷泉さんと御堂さんがめちゃくちゃいる 御三家の子は基本的に下の名前で呼ばれる 体操服などの持ち物は基本フルネームで名前を書いて、はさみの名前シールとかのスペースが小さいのは下の名前

 御三家の人は名字で呼ばれても自分が呼ばれてるか分からないかもしれない


 退魔師に寮があるとすれば宅配の人は最初混乱する 下手したら201御堂 301御堂 302御堂 みたいな顔ぶれだから部屋番号が合っているか不安になる


 慰安旅行でも旅行客リストの御三家占有率が高く、一族経営の企業なのかな?と思われる(信仰が大きく失われていては御三家の知名度も低いはず) 



 極右の人いるだろうけど老害は少なさそう 退魔師すぐ死ぬもん



 女性退魔師の見分け方
 ・ネイルしてない(バイタル測るのに邪魔になる)
 ・アートメイク(アイブロウ・アイライナー・リップ 体育会系のお仕事はすっぴんでも何も言われないって偏見あるけど、まあ少なくともメイクに興味持ってる人はやるかなと 肉体労働で汗ダラダラだし豪雨降ろうが働かなきゃだめなのと化粧直す時間ないのと 顔料はMRIいける物)



疑問
 ・美形だと神さまに好かれやすいらしいけど神さま方の美醜観は現代なの?平安とか江戸の美人絵みたいな瓜実顔がお好きな方もいらっしゃるんじゃないの?
 (関連する粗製乱造考察→神さまの守護対象によって好みの美形が薄々分かりそう 例えば歌舞伎町に昔からおわす土地神さまだと整形顔の全身ハイブランドコーデがお好みとか、豊穣の神さまだと美味しそうに食べる人やふくよかな体型{渡辺直美とか}がお好みとか)
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夜神月さん (7vkz0vb9)2022/3/18 04:54 (No.91773)削除
親友


入院している友人の見舞いに来たが、既に亡くなったと聞かされた。

「雨月君が……?イヤ……無い無い無い……冗談キツいよ……」

雪吹は震え声で言った。医者の胸ぐらを掴み、もう一度問いかけた。

「クソみてーな冗談言うなよ、ぶち殺すぞ。雨月君が死ぬ訳……無いよな?なぁ……なぁ!?死にかけてるだけだろ!?アンタら医者だろ?治せよ!治せよ!!」

医者は困惑しながらも一連の流れを聞いた。

有り得ない。

有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない。

雨月君が死んだ。有り得ない。

彼は強いんだ。俺なんかより何倍も強いんだ。負けるわけが無い。誰が襲撃に来ようと負ける訳が無い。死ぬ筈なんて無い。これは悪い夢だ。代償で見る悪夢だ。

目が見えないから負けたのか?俺のせいだ。万全の状態の彼が負ける訳が無い。俺のせいだ。俺があの時、彼に頼ったから目が見えなくなった。俺が弱かったから。死んでいいわけがない。あんなに良い子がこんな所で死んでいいわけがない。

「雨月君……冗談キツいよ……」

雪吹は膝から崩れ落ちた。きっとその内出てきて「雪吹さん、ビックリしました?」なんて言うんだ。そうだ。そうに違いない。そうしてくれ。そうであってくれ。

闇瀬夜宵の死亡。

自分が助けを求めた事により高御門雨月の失明。

高御門雨月の死亡。

六道雪吹の精神は限界に近付いていた。

家に戻り、部屋に飾ってあった高御門雨月と一緒に買った香水を手に取り、香水に話し掛けるように独り言を呟いた。

「あの時は楽しかったよなぁ……これ、初めて友達と買ったやつでさ、勿体なくてあんまり使えなかったや。でもこうなるなら……置いておいて良かったのかな……」

「俺半分魔人だからさ、人間はあんまり俺の事好きにならないんだよね。ただただ気味が悪いって。でも雨月君は俺の事人間と同じ様に扱ってくれたね。怪我なんてアンタと違ってほっときゃ治るのに俺のこと心配してくれるし。」

「嬉しかったなぁ……友達だなんて言ってくれて。一方的かもしれないけどアンタのことは親友だと思ってた。」

「俺はアンタといた時間、すっごい楽しかったよ。」

「……最期、雨月君はどんな事考えたの?」

段々声が震え出し、床に大粒の雫が落ちる。

「雨月君、アンタは幸せだった?」

「もっと話したかったな……もっと遊びたかったな……」

「もっと色んなもの……一緒に見たかったな……」

「うぅ……雨月君……ごめんな……ごめんな……」

「うぅ……うぁぁぁぁ……!」

何度も経験しているこの辛さ。慣れる事なんて無い。数少ない、特に仲の良かった友人を失った。もう顔を見る事も、話すことも、一緒にどこかへ行くのも、怪我をして心配してくれることも無い。一度死んだ者は帰ってこない。心に大きな穴が空いたような感じだ。

もう居ないんだ。自分の親友なんてもう、何処にも居ない。
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饅頭さん (89fayp0a)2022/3/16 20:22 (No.91696)削除
今回のイベントの表か裏で重要だったり頑張ったりした主な人

千秋 季由(センシュウ スエヨシ)
36歳 男 一級
刀に宿す神威。
そのまんま刀に氏神を宿すことができる。
祭神の熱田大神の他、その神使の鶏、或いは他に流れの神などがいたりいなかったりする。
一種の契約みたいなもので、宿った神曰く「この力から刀を依代にした場合あまり居心地は良くない」とか。
熱田大宮司千秋氏の一族


斯波 義冬(シバ ヨシフユ)
63歳 男 階級無し
日本退魔連盟愛知支部のリーダー。
10年弱はこの立場にいる男で、日本第2第3に値する都会を含んだ上で、大山脈が横たわる中部地方をよく治めている男。
熱田神宮や富士浅間神社、諏訪大社といった大手の神社との折衝、神社とは関わらない個人の退魔師の支配、宝玉家などの旧来の名家などの引き込みなどを続けてきた愛知支部の方針を引き継ぎ、ここ一年程度の名張の方針にも同調して強い連盟を作らんとしている。

諏訪忠世(スワ タダヨ)
男・48歳・一級退魔師
諏訪大社退魔師筆頭。
建御名方神と契約し大祝に従う諏訪の実力者。
威を以て圧する神威。
なんかこう、当人を中心に発破をかけられる能力。威力は結構自由らしいが、建物を吹っ飛ばす威力ぐらい出せる。
軍を以て侵し透る神威。
全長30cmの近世日本程度の技術力で武装した人型実態を無数に顕現させ操る能力。馬も出る。
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