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25時さん (8f20z02k)2023/4/20 14:12 (No.108493)削除後書き
ども、25時です。
シャングリラの慟哭伊藤ifはご覧になられたでしょうか。見ていただけたのであれば幸いです。
さて、ここからは僕個人の話というかそんな感じの話です。
今回の小説をもって25時のシャングリラ関係における書き物は一旦終幕とさせていただきます。
理由としては僕個人的に書きたいもの、表現したいものは全て書ききったからです。
まあ、また何か書きたくなるかもしれませんが基本的にはこれでおしまいと言った感じになります。
長くシャングリラに居させてもらって、色々なことがありました。
トラブルがあったり、みんなと成りしたり、関係組んだりと、本当に思い出が尽きませんね。
なんだかんだ言って楽しかったです。
やり残した事とか無いわけじゃないんですが、それでも今回の伊藤ifでそういった不完全燃焼感も込みで書いてやったので満足してます。
そして、伊藤剛一を好きでいてくれた方に精一杯の感謝を。
立場が立場で色々苦労の多かった彼ですが、そんな彼も最後は穏やかに逝くことができました。
今回のifで死人を叩き起すようなストーリーを書いてしまった感はありますが、そこはまぁ僕も彼のことは気に入ってるのでご愛嬌ということで()
正解の選択を選んだ結果、大衆の正義からは外れたifストーリー。
その後の彼の活躍がどれほどシャングリラ世界に影響を与えるかは分かりませんが、そんな彼の小さな抵抗が、救いのないあの世界に少しでも希望を見せられたらいいなと願っています。
さて、長々と書いてしまって読むのも疲れてきたでしょうしこの辺りにしておきます。
シャングリラの慟哭、お世話になりました。
25時
ども、25時です。
シャングリラの慟哭伊藤ifはご覧になられたでしょうか。見ていただけたのであれば幸いです。
さて、ここからは僕個人の話というかそんな感じの話です。
今回の小説をもって25時のシャングリラ関係における書き物は一旦終幕とさせていただきます。
理由としては僕個人的に書きたいもの、表現したいものは全て書ききったからです。
まあ、また何か書きたくなるかもしれませんが基本的にはこれでおしまいと言った感じになります。
長くシャングリラに居させてもらって、色々なことがありました。
トラブルがあったり、みんなと成りしたり、関係組んだりと、本当に思い出が尽きませんね。
なんだかんだ言って楽しかったです。
やり残した事とか無いわけじゃないんですが、それでも今回の伊藤ifでそういった不完全燃焼感も込みで書いてやったので満足してます。
そして、伊藤剛一を好きでいてくれた方に精一杯の感謝を。
立場が立場で色々苦労の多かった彼ですが、そんな彼も最後は穏やかに逝くことができました。
今回のifで死人を叩き起すようなストーリーを書いてしまった感はありますが、そこはまぁ僕も彼のことは気に入ってるのでご愛嬌ということで()
正解の選択を選んだ結果、大衆の正義からは外れたifストーリー。
その後の彼の活躍がどれほどシャングリラ世界に影響を与えるかは分かりませんが、そんな彼の小さな抵抗が、救いのないあの世界に少しでも希望を見せられたらいいなと願っています。
さて、長々と書いてしまって読むのも疲れてきたでしょうしこの辺りにしておきます。
シャングリラの慟哭、お世話になりました。
25時
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25時さん (8f20z02k)2023/4/20 14:11 (No.108492)削除伊藤if最終話
さあ、2つ目の起点を超えたね。
次が最後の起点だよ。
どこが起点か、君ももうわかったんじゃないかな。
この世界の君はあの悪魔を選んだ。
それは多くを捨てる選択になる。
もし君が彼と同じ選択をしたとして、君はその選択を後悔するかい?
ふふっ、無駄な問いだったね。
たらればなんてのは意味の無い戯言だ。
もっと現状に目を向けるべきだとも。
あの君は君にとっての選択を間違えなかった。
でもそれは世界にとって正しいものじゃなかった。
世界にとって正しかったのは君の方だ。
結果を見れば一目瞭然だとも。
君だって、後悔してはいないんだろう?
後悔ほど愚かなものは無いよ。
後から悔いるなんて、無駄で、無益で、無意味でしかない。
さぁ、この世界の君は後悔せずに歩めるかな?
──────────
「剛一、来い」
「…はい」
やはりか、というのが正直な感想だった。
アイリアを赦し、悪魔との共存の道を選んでから早数ヶ月。
俺の叔父こと伊藤巌齋一級が、とうとう俺に声をかけてきた。
これでも動き出しは遅いと思う。アイリアの正体を調べるのに時間がかかったのか、それとも俺への執行猶予だったのか。
いずれにせよ叔父が俺に鍛錬以外で接触したのは俺が退魔師になって以来初めての事だ。
そう考えると要件もまぁ、大体予想がつく。
今日はおそらく、俺にとって大きな分岐点だ。
叔父に連れられて神宮内を歩く。向かっているのは多分神宮内にある訓練場だろう。
この道は、小さい頃に嫌という程通らされた。
「私は、お前に日本の為に戦って欲しかった。人を守り、国を守る最強の退魔師。私情に左右されない、大衆の正義の代行者」
今まで無言だった叔父が口を開く。
いつになく優しい口調が、仕草が逆に俺の警戒心を煽る。
「特級退魔師、お前はその器足りえたろう。どうだ?剛一。考え直すつもりは無いか」
林道を抜け、やがて開けた場所に出る。
叔父を追い抜きながら、腰に差した刀に手をかける。
「叔父さん、俺も誰かのために、人の為に戦うつもりだ。それが、アンタと俺じゃやり方が違うだけだ」
「そうか、それが答えか」
「ああ、俺は俺の道を行く」
叔父の居る方へ振り向きながら抜刀。
もう、後には引けない。
「…残念だ。剛一」
彼の周囲に炎が立ちのぼる。
「お別れだ。叔父さん」
刀を青眼に構え、叔父の体の全体を俯瞰する。
瞬間、
「はぁっ!!」
「シッッ!!」
赤と銀の線が閃いた。
燃え盛る炎剣が俺を融解せんと牙を剥く。
刀一本で受けるのは分が悪い。
俺は叔父の剣戟を一つ一つ丁寧に払い、流し、躱していく。
まともにぶつかれば得物が先に悲鳴を上げる。
この刀が折れてしまえば旗色が悪くなるのは俺だ。
刀と体への負担を最小限に、叔父の猛攻を捌き続ける。
「わからないな!それだけの力を持ちながら!何故悪魔を擁護する!」
「人に善悪があるなら、悪魔にも善悪はある筈だ!悪魔全てを悪とするのは間違っている!」
脇構えから刀を振り上げると同時に神威を発動する。
伸びる斬撃は叔父の胴体へと向かっていくが、彼の炎の羽衣に弾かれる。
やはり、時間制限があるとは言え攻防一体の彼の神威はとてつもない強さだ。
(つーか実体のある炎とか反則にも程があるッ…!)
自在に揺らめき、周囲を熱で焼き尽くす。その汎用性と効果範囲の広さはこの身をもって知っている。
俺の得意な間合いで勝負できるのが1番いいが、かと言って近づけると勝機が消える。
続けざまに神威の斬撃を繰り出し、無理矢理距離を取りながら叔父の出方を伺った。
「フッ!」
だがその甘えを叔父は許さない。
斬撃の間を潜り抜け一気に懐へ入られる。
一瞬の出来事、だが予想はしていた。
首へと伸びる炎の刃をしゃがんで躱し、叔父の足を払おうとする。
それを叔父は避けようともせずそのまま受ける。
が、ビクともしない。
そのまま足を伝って炎が俺を捕まえようと伸びてきたのを確認すると同時に後方に飛んで斬撃を伸ばす。
叔父はそれをなんなく弾くが、距離を取れたので問題ない。
「悪魔に善悪だと?アレは災害だ。自然に善悪が存在する筈がない」
「いや、あるね。俺はそう言う悪魔を知っている」
「知ってるからなんだ。お前は騙されているだけだ」
「あー話になんねぇなぁ!」
神威を発動しながらの3連撃。この神威は斬撃を伸ばすというシンプルな能力でありながら伸ばした分だけ重量が増加するというデメリットが存在する。ただでさえそれなりに重い刀の重量が増えるのだ。それを高速で振るとなると腕への負担が尋常でない。霊力による身体強化込みでも腕の疲労が感じられるほどだ。
歯を食いしばって腕の怠さを堪えて前を向く。
叔父は怯むどころかそのまま突っ込んでくる。刀の重さに体が流され、体勢を元に戻せない。
炎の刺突が腹部へと飛んでくるが、それを体を捻って転がるように回避する。
脇腹が裂くように熱い、掠ったか。
直ぐに立ち上がり周囲を見渡すが、叔父の姿を見失ってしまった。
「甘い」
「ガッッ?!」
すぐ後ろで衝撃と熱を感じる。
世界が回り、背中に激痛が走る。
死角からの攻撃で何をされたか全く分からない。
だが痛みに喘いでる暇は無い。
すぐそこまで死は近づいている!
ギリギリのところで立ち上がり、後方へ距離を取る。
先程頭があった位置には炎槌が振り下ろされ、地面が爆散した。グズグズしていたらあのハンマーに頭蓋を砕かれていた。
背中の激痛の原因もアレか。
恐らく後ろからアレでぶん殴られたのだろう。
「耐えるか、流石生半可な鍛え方はしてないな。なら、こいつはどうだ?」
炎の羽衣が解け、宙へ踊り出す。
やがて形を変え、大量の矢となってこちらへ降り注いだ。
躱す?無理だ、数が多すぎる。
なら、尽くを撃ち落とすしかない。
俺の全身全霊をもって、5秒後の生存を勝ち取る──!
「ぉぉおおおお!!!」
頭と心臓以外は構わない。
全て受け切ろうなんて考えて致命傷を食らう訳にはいかない。
1秒。
皮膚が焼ける、肉が裂ける。
熱で肺が悲鳴を上げる。
腕が今にもちぎれそうだ。
迫る死の気配と生への渇望で気が狂いそうだ。
2秒。
一瞬、視界が暗転した。
直ぐに意識を取り戻したが眼前に火の矢が迫る。
反射的に首を傾げ躱すが、頬に熱い痛みが走る。
刀1つでは無理だ。
1つでは。
3秒。
一瞬一瞬で死と生の狭間に立たされる。
今の自分が生きてるのか死んでいるのか。
体と精神の境目が無くなっていくような感覚がする。
──火花が散っている。
目の奥、頭の奥で鉄を打つ音が聞こえる。
4秒。
やがて知る。自分の本質を。
鍛えに鍛え、強く堅く、鋭くなっていく感覚に身を委ねていく。
刀だ。
俺が一本の刀だったんだ。
────5秒。
雨が止んだ。
砂埃と焦げた土の匂いが立ち込める。
俺は刀を『2つ』手に取って近付き、
「なっ…!!」
叔父の右腕を切り飛ばした。
「──いつからか」
動揺し、俺から離れる叔父を見ながら上体を起こす。
「やれる気はしていた。二刀を使い、操る事を。だがいくら鍛錬しても何かが足りない。普通の域を出ない練度だった。だから、仕事では一度も使わなかった」
「…お前が脇差を用意した時から、薄々感じてはいたさ。これは私の驕りだな」
叔父はすぐに冷静さを取り戻し、切り飛ばした腕から炎の右腕を生やす。
リカバリーの速さには脱帽するが、それでも俺は負けられない。
「だがそれでも死に体である事には変わりない。さっさと死ね。呪術師風情が!!」
「死んでたまるかよ、俺にはまだやることがあるんだ!!そこを退け、呪術師殺し!!」
衝突。
刃と炎が絡み合うようにぶつかって火花を咲かせる。
とっくの昔に限界は超えて、アドレナリンが疲労と痛みを薄れさせていく。
何のために戦っているのか。
何のためにここに居るのか。
理由が頭から乖離していく。
ただ、今はこの全能感と闘争の快楽に身を任せて腕を振るう。
恐怖は無く、炎熱と剣戟の嵐に命を投じる。
叔父は炎の腕から剣を作り、何度も何度も切り掛る。
それを二刀をもって凌駕する。
後退、前進。
拮抗、伯仲。
「チッ…!」
業を煮やしたのか叔父が再び巨槌を作り出し、俺目掛けて振り下ろす。
しかし、それは悪手だ。
俺は叔父の懐へ入り、迫り来る熱塊を流し受け躱す。
そして振り下ろした勢いを利用して、腹部に向けて左の脇差を突き出した。
それを神威で炎の壁を作り防ぐと、右腕で顔に拳を叩き込もうとしてくる。右腕が空いているのは俺も同様。右の刀で拳を防ぎ、思いっきり頭突きをかます。
「ガッ…!」
「隙だらけだなぁ!」
怯んだ叔父に向かってさらに渾身の一閃を叩き込む。
羽衣に防がれ斬ることは出来なかったが、それでも代償で体の小さくなった叔父は簡単に後方へと吹き飛んで行った。
「もういいだろ。アンタもそろそろ時間切れなはずだ。俺は別に殺したい訳じゃない。退魔師も、人も悪魔も、俺は守りたいだけなんだ」
「ごふ…偽善。綺麗事で日本が正されるものか」
叔父は立ち上がり、険しい表情で俺を睨みつける。
「悪魔は人間の負の感情によって生まれる。人間が存在し続ける限り、悪魔は生まれ続ける。そして、悪魔は人を襲う。それに理由は無い。本能からそういう造りになっている」
彼の首が黒くなっている。
神威による炭化が始まっている。
これ以上戦えば間違いなく、叔父は炭と化して消えていくだろう。
だから、俺はもう戦いたくなかった。
人殺しをしたくないとか、呪術師になりたくないなどの保身的な理由ではなく。
強引であったとは言え、俺を鍛え育ててくれた恩師に死んで欲しくなかった。
彼は言葉を続ける。
「そんな悪魔から人々を守る為には殺すしかない。押さえつけるにも限界がある。放っておいても向こうから襲いかかってくる。なら命を奪うしかないだろう。それが何故分からない…!」
分かっているとも。
俺のやろうとしていることは理想論だと言うことも。
叶うはずのない目標であると分かっている。
「それでも俺は悪魔を、アイリアを信じてみたいと思ったんだ。例え、アイツしか人を襲わない悪魔が居なかったとしても。それでもアイツを守りたいと思った。なあ、大切なモノを失いたくないと思うのはそんなにおかしいことかよ」
「その感情は間違っていない。だが向けるものが問題なのだ。お前のそれは震災を愛すると言っているのと同義だぞ。何処にも被害を出さないようにするから災害を愛させてくださいだと?許せるはずがないだろう。その過程で、どれだけの犠牲が生まれるかわかったものじゃない!!!」
「それでも!!!」
それでも、俺は───
「俺は、人も悪魔も共存できる世界を目指したい」
無謀だ、無理難題だ。
あまりにも人間からは逸れた思想だ。
だけど、悪魔の癖に人を殺さず、人に殺されようとしたあの悪魔を見捨てることなんて出来なかった。
「…そうか、なら何処へでも行くといい。お前が真に呪術師となった時、今度こそ俺がお前を殺そう」
「──お世話に、なりました」
その言葉を最後に俺は深川神宮を去った。
後悔はない、郷愁もない。
自分の信じた理想を胸に、俺は今日も生きる。
隣に、やけに騒がしい悪魔を携えて。
───────────────
さて、如何だったかな。
これでおしまい大団円。
彼は間違った道を歩み始めた。
その先は間違いなく茨の道だろうね。
その点に関して言えば君も一緒か。
どの選択をしたとしても君は結局苦悩を抱えることになる。
なら幸せに生きられる道を選んだ方が良いと思わないかい?
どうせ苦しむのなら、最後に報われる方がずっといい。
ま、いくら言葉を重ねたとしても、彼の道の果てが地獄だろうが極楽だろうが、史実の君には無関係な事だよ。
あくまでも可能性のひとつ、その一端。
全て泡沫の夢の話、という事さ。
さあ、2つ目の起点を超えたね。
次が最後の起点だよ。
どこが起点か、君ももうわかったんじゃないかな。
この世界の君はあの悪魔を選んだ。
それは多くを捨てる選択になる。
もし君が彼と同じ選択をしたとして、君はその選択を後悔するかい?
ふふっ、無駄な問いだったね。
たらればなんてのは意味の無い戯言だ。
もっと現状に目を向けるべきだとも。
あの君は君にとっての選択を間違えなかった。
でもそれは世界にとって正しいものじゃなかった。
世界にとって正しかったのは君の方だ。
結果を見れば一目瞭然だとも。
君だって、後悔してはいないんだろう?
後悔ほど愚かなものは無いよ。
後から悔いるなんて、無駄で、無益で、無意味でしかない。
さぁ、この世界の君は後悔せずに歩めるかな?
──────────
「剛一、来い」
「…はい」
やはりか、というのが正直な感想だった。
アイリアを赦し、悪魔との共存の道を選んでから早数ヶ月。
俺の叔父こと伊藤巌齋一級が、とうとう俺に声をかけてきた。
これでも動き出しは遅いと思う。アイリアの正体を調べるのに時間がかかったのか、それとも俺への執行猶予だったのか。
いずれにせよ叔父が俺に鍛錬以外で接触したのは俺が退魔師になって以来初めての事だ。
そう考えると要件もまぁ、大体予想がつく。
今日はおそらく、俺にとって大きな分岐点だ。
叔父に連れられて神宮内を歩く。向かっているのは多分神宮内にある訓練場だろう。
この道は、小さい頃に嫌という程通らされた。
「私は、お前に日本の為に戦って欲しかった。人を守り、国を守る最強の退魔師。私情に左右されない、大衆の正義の代行者」
今まで無言だった叔父が口を開く。
いつになく優しい口調が、仕草が逆に俺の警戒心を煽る。
「特級退魔師、お前はその器足りえたろう。どうだ?剛一。考え直すつもりは無いか」
林道を抜け、やがて開けた場所に出る。
叔父を追い抜きながら、腰に差した刀に手をかける。
「叔父さん、俺も誰かのために、人の為に戦うつもりだ。それが、アンタと俺じゃやり方が違うだけだ」
「そうか、それが答えか」
「ああ、俺は俺の道を行く」
叔父の居る方へ振り向きながら抜刀。
もう、後には引けない。
「…残念だ。剛一」
彼の周囲に炎が立ちのぼる。
「お別れだ。叔父さん」
刀を青眼に構え、叔父の体の全体を俯瞰する。
瞬間、
「はぁっ!!」
「シッッ!!」
赤と銀の線が閃いた。
燃え盛る炎剣が俺を融解せんと牙を剥く。
刀一本で受けるのは分が悪い。
俺は叔父の剣戟を一つ一つ丁寧に払い、流し、躱していく。
まともにぶつかれば得物が先に悲鳴を上げる。
この刀が折れてしまえば旗色が悪くなるのは俺だ。
刀と体への負担を最小限に、叔父の猛攻を捌き続ける。
「わからないな!それだけの力を持ちながら!何故悪魔を擁護する!」
「人に善悪があるなら、悪魔にも善悪はある筈だ!悪魔全てを悪とするのは間違っている!」
脇構えから刀を振り上げると同時に神威を発動する。
伸びる斬撃は叔父の胴体へと向かっていくが、彼の炎の羽衣に弾かれる。
やはり、時間制限があるとは言え攻防一体の彼の神威はとてつもない強さだ。
(つーか実体のある炎とか反則にも程があるッ…!)
自在に揺らめき、周囲を熱で焼き尽くす。その汎用性と効果範囲の広さはこの身をもって知っている。
俺の得意な間合いで勝負できるのが1番いいが、かと言って近づけると勝機が消える。
続けざまに神威の斬撃を繰り出し、無理矢理距離を取りながら叔父の出方を伺った。
「フッ!」
だがその甘えを叔父は許さない。
斬撃の間を潜り抜け一気に懐へ入られる。
一瞬の出来事、だが予想はしていた。
首へと伸びる炎の刃をしゃがんで躱し、叔父の足を払おうとする。
それを叔父は避けようともせずそのまま受ける。
が、ビクともしない。
そのまま足を伝って炎が俺を捕まえようと伸びてきたのを確認すると同時に後方に飛んで斬撃を伸ばす。
叔父はそれをなんなく弾くが、距離を取れたので問題ない。
「悪魔に善悪だと?アレは災害だ。自然に善悪が存在する筈がない」
「いや、あるね。俺はそう言う悪魔を知っている」
「知ってるからなんだ。お前は騙されているだけだ」
「あー話になんねぇなぁ!」
神威を発動しながらの3連撃。この神威は斬撃を伸ばすというシンプルな能力でありながら伸ばした分だけ重量が増加するというデメリットが存在する。ただでさえそれなりに重い刀の重量が増えるのだ。それを高速で振るとなると腕への負担が尋常でない。霊力による身体強化込みでも腕の疲労が感じられるほどだ。
歯を食いしばって腕の怠さを堪えて前を向く。
叔父は怯むどころかそのまま突っ込んでくる。刀の重さに体が流され、体勢を元に戻せない。
炎の刺突が腹部へと飛んでくるが、それを体を捻って転がるように回避する。
脇腹が裂くように熱い、掠ったか。
直ぐに立ち上がり周囲を見渡すが、叔父の姿を見失ってしまった。
「甘い」
「ガッッ?!」
すぐ後ろで衝撃と熱を感じる。
世界が回り、背中に激痛が走る。
死角からの攻撃で何をされたか全く分からない。
だが痛みに喘いでる暇は無い。
すぐそこまで死は近づいている!
ギリギリのところで立ち上がり、後方へ距離を取る。
先程頭があった位置には炎槌が振り下ろされ、地面が爆散した。グズグズしていたらあのハンマーに頭蓋を砕かれていた。
背中の激痛の原因もアレか。
恐らく後ろからアレでぶん殴られたのだろう。
「耐えるか、流石生半可な鍛え方はしてないな。なら、こいつはどうだ?」
炎の羽衣が解け、宙へ踊り出す。
やがて形を変え、大量の矢となってこちらへ降り注いだ。
躱す?無理だ、数が多すぎる。
なら、尽くを撃ち落とすしかない。
俺の全身全霊をもって、5秒後の生存を勝ち取る──!
「ぉぉおおおお!!!」
頭と心臓以外は構わない。
全て受け切ろうなんて考えて致命傷を食らう訳にはいかない。
1秒。
皮膚が焼ける、肉が裂ける。
熱で肺が悲鳴を上げる。
腕が今にもちぎれそうだ。
迫る死の気配と生への渇望で気が狂いそうだ。
2秒。
一瞬、視界が暗転した。
直ぐに意識を取り戻したが眼前に火の矢が迫る。
反射的に首を傾げ躱すが、頬に熱い痛みが走る。
刀1つでは無理だ。
1つでは。
3秒。
一瞬一瞬で死と生の狭間に立たされる。
今の自分が生きてるのか死んでいるのか。
体と精神の境目が無くなっていくような感覚がする。
──火花が散っている。
目の奥、頭の奥で鉄を打つ音が聞こえる。
4秒。
やがて知る。自分の本質を。
鍛えに鍛え、強く堅く、鋭くなっていく感覚に身を委ねていく。
刀だ。
俺が一本の刀だったんだ。
────5秒。
雨が止んだ。
砂埃と焦げた土の匂いが立ち込める。
俺は刀を『2つ』手に取って近付き、
「なっ…!!」
叔父の右腕を切り飛ばした。
「──いつからか」
動揺し、俺から離れる叔父を見ながら上体を起こす。
「やれる気はしていた。二刀を使い、操る事を。だがいくら鍛錬しても何かが足りない。普通の域を出ない練度だった。だから、仕事では一度も使わなかった」
「…お前が脇差を用意した時から、薄々感じてはいたさ。これは私の驕りだな」
叔父はすぐに冷静さを取り戻し、切り飛ばした腕から炎の右腕を生やす。
リカバリーの速さには脱帽するが、それでも俺は負けられない。
「だがそれでも死に体である事には変わりない。さっさと死ね。呪術師風情が!!」
「死んでたまるかよ、俺にはまだやることがあるんだ!!そこを退け、呪術師殺し!!」
衝突。
刃と炎が絡み合うようにぶつかって火花を咲かせる。
とっくの昔に限界は超えて、アドレナリンが疲労と痛みを薄れさせていく。
何のために戦っているのか。
何のためにここに居るのか。
理由が頭から乖離していく。
ただ、今はこの全能感と闘争の快楽に身を任せて腕を振るう。
恐怖は無く、炎熱と剣戟の嵐に命を投じる。
叔父は炎の腕から剣を作り、何度も何度も切り掛る。
それを二刀をもって凌駕する。
後退、前進。
拮抗、伯仲。
「チッ…!」
業を煮やしたのか叔父が再び巨槌を作り出し、俺目掛けて振り下ろす。
しかし、それは悪手だ。
俺は叔父の懐へ入り、迫り来る熱塊を流し受け躱す。
そして振り下ろした勢いを利用して、腹部に向けて左の脇差を突き出した。
それを神威で炎の壁を作り防ぐと、右腕で顔に拳を叩き込もうとしてくる。右腕が空いているのは俺も同様。右の刀で拳を防ぎ、思いっきり頭突きをかます。
「ガッ…!」
「隙だらけだなぁ!」
怯んだ叔父に向かってさらに渾身の一閃を叩き込む。
羽衣に防がれ斬ることは出来なかったが、それでも代償で体の小さくなった叔父は簡単に後方へと吹き飛んで行った。
「もういいだろ。アンタもそろそろ時間切れなはずだ。俺は別に殺したい訳じゃない。退魔師も、人も悪魔も、俺は守りたいだけなんだ」
「ごふ…偽善。綺麗事で日本が正されるものか」
叔父は立ち上がり、険しい表情で俺を睨みつける。
「悪魔は人間の負の感情によって生まれる。人間が存在し続ける限り、悪魔は生まれ続ける。そして、悪魔は人を襲う。それに理由は無い。本能からそういう造りになっている」
彼の首が黒くなっている。
神威による炭化が始まっている。
これ以上戦えば間違いなく、叔父は炭と化して消えていくだろう。
だから、俺はもう戦いたくなかった。
人殺しをしたくないとか、呪術師になりたくないなどの保身的な理由ではなく。
強引であったとは言え、俺を鍛え育ててくれた恩師に死んで欲しくなかった。
彼は言葉を続ける。
「そんな悪魔から人々を守る為には殺すしかない。押さえつけるにも限界がある。放っておいても向こうから襲いかかってくる。なら命を奪うしかないだろう。それが何故分からない…!」
分かっているとも。
俺のやろうとしていることは理想論だと言うことも。
叶うはずのない目標であると分かっている。
「それでも俺は悪魔を、アイリアを信じてみたいと思ったんだ。例え、アイツしか人を襲わない悪魔が居なかったとしても。それでもアイツを守りたいと思った。なあ、大切なモノを失いたくないと思うのはそんなにおかしいことかよ」
「その感情は間違っていない。だが向けるものが問題なのだ。お前のそれは震災を愛すると言っているのと同義だぞ。何処にも被害を出さないようにするから災害を愛させてくださいだと?許せるはずがないだろう。その過程で、どれだけの犠牲が生まれるかわかったものじゃない!!!」
「それでも!!!」
それでも、俺は───
「俺は、人も悪魔も共存できる世界を目指したい」
無謀だ、無理難題だ。
あまりにも人間からは逸れた思想だ。
だけど、悪魔の癖に人を殺さず、人に殺されようとしたあの悪魔を見捨てることなんて出来なかった。
「…そうか、なら何処へでも行くといい。お前が真に呪術師となった時、今度こそ俺がお前を殺そう」
「──お世話に、なりました」
その言葉を最後に俺は深川神宮を去った。
後悔はない、郷愁もない。
自分の信じた理想を胸に、俺は今日も生きる。
隣に、やけに騒がしい悪魔を携えて。
───────────────
さて、如何だったかな。
これでおしまい大団円。
彼は間違った道を歩み始めた。
その先は間違いなく茨の道だろうね。
その点に関して言えば君も一緒か。
どの選択をしたとしても君は結局苦悩を抱えることになる。
なら幸せに生きられる道を選んだ方が良いと思わないかい?
どうせ苦しむのなら、最後に報われる方がずっといい。
ま、いくら言葉を重ねたとしても、彼の道の果てが地獄だろうが極楽だろうが、史実の君には無関係な事だよ。
あくまでも可能性のひとつ、その一端。
全て泡沫の夢の話、という事さ。
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25時さん (8f20z02k)2023/4/10 21:12 (No.108179)削除伊藤if2話後編
──随分と遅かったじゃないか。
生前の景色が懐かしくなったのかな?
それとも生きている彼女と話したかった…とか。
そんな怖い顔で睨まないでくれよ。
2つ目の転機の前に寄り道したいと言ったのは君じゃないか。
まぁいいさ、もう寄り道は良いだろう?
この世界の君はこれから、君にとって正しい選択をする。
それが世界にとって正しいかどうかは別だけどね。
───────────
アイリアと会って、1年と半年が経った。
8月も終盤に差し掛かろうとする頃に彼女は夏祭りに行きたいと言い出した。
深川神宮では毎年夏祭りが催されていてそれに行こうという話だった。
なんだかんだで彼女に絆されつつある俺は断る理由もなく了承。
ただ、態々俺が退魔師活動の拠点にしている、深川神宮の夏祭りに行くというのはわからなかった。
どうしてもそこがいいと、他じゃダメとの事。
彼女にとって深川神宮に何があるのか、今の俺では彼女の思惑を推し量ることは出来なかった。
そんなこんなで夏祭り当日、待ち合わせの時間30分前に俺は集合場所で立っていた。
日が沈む夕暮れ時、それでも夏の暑さは冷めず肌を焼く。
じっとりと背中を伝う汗が鬱陶しい。
「あっつ…」
今日は非番であまり目立つ格好は避けたかったから久しぶりに洋服に袖を通した。
Tシャツに短パン、まぁ友人と遊ぶくらいだからそのくらいだろう。
深川神宮の夏祭りへ向かう人混みをぼんやりを見つめていると、こちらにカラコロと近づいてくる足跡。
アイリアだと分かった。
「ごめん!遅れちゃった!」
「おっせーぞ、どんだけ待たせ…」
言葉を失った。
あまりにも綺麗だったから。
普段から整った顔をしているとは思っていたが、まさか浴衣を着てくるとは思ってもいなかった。
藍色の紫陽花柄の浴衣。彼女の茶色く明るい髪がよく映える。
急いできたのか息を切らしている姿がより艶やかに見えて、思わず彼女から目を逸らした。
「慣れない服だから着るのに手間取っちゃって…ごめん」
「あぁー…まぁ、ならしゃあねぇな」
こいつに対して、そもそも俺にそんな感情は無い。
なのにどうしてこんなにも焦ってしまうのか。
何故か彼女を見るのがどうにも気恥ずかしくて、顔が熱くなる。
いや、これはきっと夏のせいだ。
そう思い込むことで、なんとか冷静さを取り戻そうとする。
彼女は走って乱れた服装を正すと、その場でくるりと回転してこちらに微笑んだ。
「どう?似合うかな」
「まぁ、似合うんじゃねぇの?」
「へへっ、やった」
ああ、そんな風に笑わないでくれ。
胸が苦しくなってしまう。
思わず吐き気が込み上げてくるが、それを腹の底に押し込んで彼女に手を伸ばす。
「じゃ、行くんだろ?夏祭り。はぐれんなよ」
「その時はカズがちゃんと見つけてね」
「最初からフラフラ行くなって言ってんだよ」
俺達はそのまま境内へと足を踏み入れた。
2人、手を繋ぎながら。
───────────────
「あ!射的だって!私やった事ないんだ〜カズ!一緒にやろ!」
「ヨーヨー釣り…私の知ってるヨーヨーと違う…あれは水風船?カズやってみたい!」
「かき氷つめたーい!たこ焼きおいしー!ねえねえ!焼きそばちょっと分けてよ!」
なんだコイツは。
まるで初めて夏祭りに来た幼稚園児のようなはしゃぎっぷり。
アイリアの頭に犬耳が付いているような錯覚をしてしまうほどのでかい犬感。
ただ、それでも普段の殺伐とした日常からは離れられているような気がした。
物心ついた時から時から戦いに身を投じ、大量殺戮が起こった東京を生き抜いて、俺の心は荒みきっていたようだったらしく、久方振りの息抜きに思わず心が踊っていた。
彼女に振り回されながらも、夏祭りを楽しんでいる自分に素直じゃねぇなと自嘲気味に笑ってしまった。
人の目を気にせず、悪魔について考えもしない。
年相応にただ祭りではしゃいで、笑って、楽しんだ。
そうやって2人で満喫して、少し休憩と人混みから外れた所にあるベンチに腰かけて空を見上げた。
「あーはしゃいだはしゃいだ。こんなに騒いだのはいつぶりだ?てかそもそもこんだけ遊んだのは人生で初めてかもしんねぇ」
「えー?そんなにー?私はまだ遊び足りないけどなぁ」
ケラケラと笑いながらそう言う彼女は、どこか遠くを見ているようで。
───違和感があった。
前提として、深川神宮の夏祭りである必要は無かったんだ。
別に他の神社の夏祭りでも構わなかったし、神社の夏祭りでなくても良かった。
それでもアイリアは深川神宮の夏祭りであることに拘った。
それは何故か。
彼女はやがて意を決したように、こちらを振り向く。
「あのね、カズ」
────片鱗は感じていた。
名前を聞いた時の困った顔。
走ってもかかない汗。
やたらと世間知らずだけど、どこか達観した発言。
聞きたくない、と直感した。
「話があるの」
それはきっと恐れていたことで、でも心の奥底から逃げてはいけない、向き合えと声が聞こえる。
目を背けたかった、耳を塞ぎたかった、今すぐここから逃げ出したいと思った。
悪魔と戦っている時でもこんな風に思うことはない。
俺は、俺は今から明かされる彼女の秘密を"知っていたはず"なんだ。
気付かないように、傷つかないように。
敢えて、目を逸らし続けた。
そのツケは、今払わないといけない。
俺も、覚悟を決めた。
「なんだ」
口が渇く、聞きたくないと本能が叫ぶ。
それを理性で蓋をして、言葉を待った。
「私ね。悪魔なの」
違和感と片鱗が繋がり、確信と事実は表出した。
殺せ。
そう脳が信号を送るのは一瞬だった。
だが体と心がそれを否定する。
起こるのは停滞。俺は拳を握りしめ、堅くその場に座り続けた。
アイリアは言葉を続ける。
「騙したかった訳じゃない…って言っても言い訳にしか聞こえないか。うん、事実として、私は貴方を騙してしまった。貴方に嫌われるのが怖くて、拒絶されるのが怖くて、私は私の名前を否定した。在り方を否定した」
なんだよそれ。
そんなの、一言も言ってなかった。
なんで今更。
そんな無責任な思考が、言葉が次々と浮かんでは消える。
「私の本当の名前は言葉の悪魔。言葉に対する負の感情が集まってできた悪魔なんだ。おかしいよね、悪魔なのにまるで人間みたいなカタチをしてるんだ」
震えてる。彼女の肩が、体が震えているのが見える。
怖いのだろう、拒絶されるのが。
なら、どうすればいい。
俺はどうしたい。
今の俺には選択肢がある。
アイリアを殺して、人として正しく在るか。
アイリアを殺さず、自分の正しさを信じるか。
俺は────
「カズ、カズが私のことを殺したいのなら、私…」
「殺さない」
俺はアイリアを抱きしめる。
それが、俺の答えだった。
「…え?」
「殺さねぇよ。俺は、俺自身を信じる。アイリアが他の悪魔と違うって考えてる俺を信じる。だから殺さない」
自分に言い聞かせるように、誓いを立てるように、そう宣言した。
呆然とする彼女に俺は言葉を続ける。
「アイリア、俺やっと気付いたんだ。俺が退魔師を今まで続けてた理由。俺にしか出来ないこと、俺がやりたいこと」
抱擁を解いて俺はアイリアに向かい合う。
「俺は、悪魔と人が分かり合える世界にしたい。アイリアと俺がそうであるように、もう人が戦わなくてもいい世界にしたい」
「カズ…」
「だから、これがその最初の一歩ってことで」
アイリアの頭をクシャリと撫でる。
彼女はやがて嬉しそうに笑うと俺に抱きついてきた。
この選択は、人間として間違ってるんだろう。
それでも俺自身の選択は間違っていない筈だ。
大切な誰かを守る、その願いが間違いなんかじゃないんだから。
──随分と遅かったじゃないか。
生前の景色が懐かしくなったのかな?
それとも生きている彼女と話したかった…とか。
そんな怖い顔で睨まないでくれよ。
2つ目の転機の前に寄り道したいと言ったのは君じゃないか。
まぁいいさ、もう寄り道は良いだろう?
この世界の君はこれから、君にとって正しい選択をする。
それが世界にとって正しいかどうかは別だけどね。
───────────
アイリアと会って、1年と半年が経った。
8月も終盤に差し掛かろうとする頃に彼女は夏祭りに行きたいと言い出した。
深川神宮では毎年夏祭りが催されていてそれに行こうという話だった。
なんだかんだで彼女に絆されつつある俺は断る理由もなく了承。
ただ、態々俺が退魔師活動の拠点にしている、深川神宮の夏祭りに行くというのはわからなかった。
どうしてもそこがいいと、他じゃダメとの事。
彼女にとって深川神宮に何があるのか、今の俺では彼女の思惑を推し量ることは出来なかった。
そんなこんなで夏祭り当日、待ち合わせの時間30分前に俺は集合場所で立っていた。
日が沈む夕暮れ時、それでも夏の暑さは冷めず肌を焼く。
じっとりと背中を伝う汗が鬱陶しい。
「あっつ…」
今日は非番であまり目立つ格好は避けたかったから久しぶりに洋服に袖を通した。
Tシャツに短パン、まぁ友人と遊ぶくらいだからそのくらいだろう。
深川神宮の夏祭りへ向かう人混みをぼんやりを見つめていると、こちらにカラコロと近づいてくる足跡。
アイリアだと分かった。
「ごめん!遅れちゃった!」
「おっせーぞ、どんだけ待たせ…」
言葉を失った。
あまりにも綺麗だったから。
普段から整った顔をしているとは思っていたが、まさか浴衣を着てくるとは思ってもいなかった。
藍色の紫陽花柄の浴衣。彼女の茶色く明るい髪がよく映える。
急いできたのか息を切らしている姿がより艶やかに見えて、思わず彼女から目を逸らした。
「慣れない服だから着るのに手間取っちゃって…ごめん」
「あぁー…まぁ、ならしゃあねぇな」
こいつに対して、そもそも俺にそんな感情は無い。
なのにどうしてこんなにも焦ってしまうのか。
何故か彼女を見るのがどうにも気恥ずかしくて、顔が熱くなる。
いや、これはきっと夏のせいだ。
そう思い込むことで、なんとか冷静さを取り戻そうとする。
彼女は走って乱れた服装を正すと、その場でくるりと回転してこちらに微笑んだ。
「どう?似合うかな」
「まぁ、似合うんじゃねぇの?」
「へへっ、やった」
ああ、そんな風に笑わないでくれ。
胸が苦しくなってしまう。
思わず吐き気が込み上げてくるが、それを腹の底に押し込んで彼女に手を伸ばす。
「じゃ、行くんだろ?夏祭り。はぐれんなよ」
「その時はカズがちゃんと見つけてね」
「最初からフラフラ行くなって言ってんだよ」
俺達はそのまま境内へと足を踏み入れた。
2人、手を繋ぎながら。
───────────────
「あ!射的だって!私やった事ないんだ〜カズ!一緒にやろ!」
「ヨーヨー釣り…私の知ってるヨーヨーと違う…あれは水風船?カズやってみたい!」
「かき氷つめたーい!たこ焼きおいしー!ねえねえ!焼きそばちょっと分けてよ!」
なんだコイツは。
まるで初めて夏祭りに来た幼稚園児のようなはしゃぎっぷり。
アイリアの頭に犬耳が付いているような錯覚をしてしまうほどのでかい犬感。
ただ、それでも普段の殺伐とした日常からは離れられているような気がした。
物心ついた時から時から戦いに身を投じ、大量殺戮が起こった東京を生き抜いて、俺の心は荒みきっていたようだったらしく、久方振りの息抜きに思わず心が踊っていた。
彼女に振り回されながらも、夏祭りを楽しんでいる自分に素直じゃねぇなと自嘲気味に笑ってしまった。
人の目を気にせず、悪魔について考えもしない。
年相応にただ祭りではしゃいで、笑って、楽しんだ。
そうやって2人で満喫して、少し休憩と人混みから外れた所にあるベンチに腰かけて空を見上げた。
「あーはしゃいだはしゃいだ。こんなに騒いだのはいつぶりだ?てかそもそもこんだけ遊んだのは人生で初めてかもしんねぇ」
「えー?そんなにー?私はまだ遊び足りないけどなぁ」
ケラケラと笑いながらそう言う彼女は、どこか遠くを見ているようで。
───違和感があった。
前提として、深川神宮の夏祭りである必要は無かったんだ。
別に他の神社の夏祭りでも構わなかったし、神社の夏祭りでなくても良かった。
それでもアイリアは深川神宮の夏祭りであることに拘った。
それは何故か。
彼女はやがて意を決したように、こちらを振り向く。
「あのね、カズ」
────片鱗は感じていた。
名前を聞いた時の困った顔。
走ってもかかない汗。
やたらと世間知らずだけど、どこか達観した発言。
聞きたくない、と直感した。
「話があるの」
それはきっと恐れていたことで、でも心の奥底から逃げてはいけない、向き合えと声が聞こえる。
目を背けたかった、耳を塞ぎたかった、今すぐここから逃げ出したいと思った。
悪魔と戦っている時でもこんな風に思うことはない。
俺は、俺は今から明かされる彼女の秘密を"知っていたはず"なんだ。
気付かないように、傷つかないように。
敢えて、目を逸らし続けた。
そのツケは、今払わないといけない。
俺も、覚悟を決めた。
「なんだ」
口が渇く、聞きたくないと本能が叫ぶ。
それを理性で蓋をして、言葉を待った。
「私ね。悪魔なの」
違和感と片鱗が繋がり、確信と事実は表出した。
殺せ。
そう脳が信号を送るのは一瞬だった。
だが体と心がそれを否定する。
起こるのは停滞。俺は拳を握りしめ、堅くその場に座り続けた。
アイリアは言葉を続ける。
「騙したかった訳じゃない…って言っても言い訳にしか聞こえないか。うん、事実として、私は貴方を騙してしまった。貴方に嫌われるのが怖くて、拒絶されるのが怖くて、私は私の名前を否定した。在り方を否定した」
なんだよそれ。
そんなの、一言も言ってなかった。
なんで今更。
そんな無責任な思考が、言葉が次々と浮かんでは消える。
「私の本当の名前は言葉の悪魔。言葉に対する負の感情が集まってできた悪魔なんだ。おかしいよね、悪魔なのにまるで人間みたいなカタチをしてるんだ」
震えてる。彼女の肩が、体が震えているのが見える。
怖いのだろう、拒絶されるのが。
なら、どうすればいい。
俺はどうしたい。
今の俺には選択肢がある。
アイリアを殺して、人として正しく在るか。
アイリアを殺さず、自分の正しさを信じるか。
俺は────
「カズ、カズが私のことを殺したいのなら、私…」
「殺さない」
俺はアイリアを抱きしめる。
それが、俺の答えだった。
「…え?」
「殺さねぇよ。俺は、俺自身を信じる。アイリアが他の悪魔と違うって考えてる俺を信じる。だから殺さない」
自分に言い聞かせるように、誓いを立てるように、そう宣言した。
呆然とする彼女に俺は言葉を続ける。
「アイリア、俺やっと気付いたんだ。俺が退魔師を今まで続けてた理由。俺にしか出来ないこと、俺がやりたいこと」
抱擁を解いて俺はアイリアに向かい合う。
「俺は、悪魔と人が分かり合える世界にしたい。アイリアと俺がそうであるように、もう人が戦わなくてもいい世界にしたい」
「カズ…」
「だから、これがその最初の一歩ってことで」
アイリアの頭をクシャリと撫でる。
彼女はやがて嬉しそうに笑うと俺に抱きついてきた。
この選択は、人間として間違ってるんだろう。
それでも俺自身の選択は間違っていない筈だ。
大切な誰かを守る、その願いが間違いなんかじゃないんだから。
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25時さん (8f20z02k)2023/4/5 23:16 (No.107888)削除伊藤if2話中編
「こんにちはカズ!今日は非番かな?」
「仕事帰りだ。お前もよく俺に会いに来るけど暇なのか?」
「態々時間作って上げてるんですー泣き虫のカズくん?」
「…チッ」
「あー!今舌打ちしたー!」
隣でギャンギャンと騒ぎ立てるのはこの間会った女。
名前はアイリアと言うらしい。
つい数年前こちらに来て、カウンセリングのようなことをしてるとの事。
初めて会った時、こいつの前でみっともなく泣き腫らしてからアイリアはやたらと俺に絡んでくるようになった。
お陰で同僚に彼女かとからかわれる始末。
別に彼女だろうとそうでなかろうとどうでもいいが、からかわれるのは単純に面倒くさい。
そんな暇があるならさっさと悪魔の一体でも狩ってくれば良いのにと思う。
どうせこの仕事に就いている限り、早死するのはほぼ確定みたいなもんだ。
それなら短い人生の中でいかに多くの武勲を立てるかを考えるべきだと俺は思う。
他人をからかって、有益なことなんてあるのだろうか。
「なーんでそんな難しい顔してんの?」
「…別に、なんでもねぇよ」
お前のせいだよ、と言ってやろうかと思ったけど言ったところでこいつは気にしない。
俺もこいつのメンタルを見習うべきだろうか。
「あ、もしかして私に見惚れてたかな?いやーんカズのえっちぃ〜」
前言撤回、こいつに見習うべきところは無い。
軽い目眩がして眉間を抑えながら、とっとと歩いていく。
「あ、待ってよ!ごめんってばー!」
早めた歩みに遅れないようアイリアがついてくる。
はぁ、と1つ溜息を吐いて俺は近くの公園へと歩いていった。
────────
公園のベンチに並んで座る。
平日の昼間だからか、人はまばらで遠くの喧騒まで聞こえてくるようだった。
温い風が吹き、なんとなく春を思わせる。
途中自販機で買った缶のカフェオレをちびちび飲みながら、ただ黙ってお互い座っていた。
どっちから話すか、何を話すか。
基本的に俺から話しかけることは無い。
アイリアが俺に対して話しかけることが大抵だ。
だが、どうにも今日のアイリアは大人しく感じる。
「どうした、今日は話さないのか?なら俺は帰るぞ」
「あー、いや、話す。話すよ?うん」
どこか挙動不審に視線をあっちこっちに彷徨わせている。
そんなハッキリしない姿に少し苛立ちながらも、彼女から話しかけてくるのを待つ。
一体どんな話題を振るつもりなのかひやひやする。
しばらくの静寂を経て、やがて意を決したようにアイリアは口を開いた。
「カズはさ、なんで退魔師やってるの?」
「…はぁ?」
随分と長く考えた割には深刻な話題ではなかった。
むしろ拍子抜けした。
「いや、もし嫌だったら話さなくてもいいんだけどね?ただなんでだろうなーって…あんまり退魔師やりたくてやってるって感じしないから、ちょっと気になったというか…」
ぽかんとしているとアイリアは少し慌てたように聞いてもない弁明を始めた。
別にそれについて深い理由があったわけでもないから問題無いが、何をそんなに躊躇っていたのか。
カフェオレに口をつけて、ちゃぷりと余った中身を缶の中で踊らせながら素朴な彼女の疑問に答えることにした。
「別に、親戚からやれって言われただけだ。続ける理由は無いけど、辞める理由もないから続けてる…ってか何をそんなに躊躇してたんだ?別にそれくらいなら普通に答えるぞ」
「あー、そっかそっか。うん。まぁ、なんて言うかさ」
アイリアは下手な作り笑いを浮かべると俯いて、足をブラつかせ、理由を語り始めた。
「カズに会う前に話した人がさ、退魔師でさ。家族を殺されたから退魔師やってるって言ってて。その人も結局会えなくなっちゃったんだけど。聞けば退魔師ってそういう仇討ちみたいな理由でやってるって人もいるっぽいからさ。もしカズもそうなら聞かない方がいいかなって思ってて、遠慮しちゃった」
らしくないよね、と一通り話し終えたのかまた周囲に静けさが戻る。
俺はなんとなく、アイリアが気を使っているのを感じ取っていた。
流石の俺でもここまであからさまにされると気付いてしまう。
と、同時に自分に対するなんとも言えないぼんやりとした感情を認識する。
怒りや自分の不甲斐なさに対する虚しさ、分かってはいたがどうにも自分が退魔師という職業を続けるにはあまりにも理由が不釣り合いで。
ただ、なにかムカムカしたものを胸に抱えた。
「そういう日もあんだろ。それに、その退魔師の方が俺より退魔師らしいと思うしな。俺みたいな退魔師の方が少ないと思う」
「そうかな?」
「そうだろ。なにか強い意志でもなきゃこんな危険な仕事やってない…って惰性で続けてる俺が言うのもなんだけどな」
「カズは退魔師辞めたい?」
その言葉に思わず言葉が詰まる。
辞めたいか。
逡巡して、朧気な心境を吐き出していく。
「わからない。俺は別に家族を殺されたわけじゃないし、友人を殺された訳でも無い。きっとそれはこの世界だと幸運な事で、それを守り続けるってのを本来退魔師としてやるべきなんだと思う」
俺はどうしたいんだろうか。
悪魔に対して、他の人に比べて強い憎悪を持ってる訳でもない。
かと言って今まで多くの人間を殺してきた悪魔を赦そうとも思わない。
既に空になったスチール缶を手で弄びながら自分に問いかけ、言葉を紡ぐ。
「なんつーか、周りと自分の意識の差みたいなもんは感じてる」
「普通じゃない?意識の高い人、意識の低い人って人数の多いグループになればなるほど出てくると思うよ。それは悪いことじゃなくて、必然的にそうなってしまうものって私は思うけどな」
「まぁ、そうなんだけどな。ただ、俺に限った話をするならそれは問題じゃねぇんだ」
本当にそれでいいんだろうか。
そんな風に今の自分を良しとしていないのに退魔師を続けているのは、その思考がずっと頭に残っているからだ。
「確かに叔父に無理矢理させられてるって理由で辞めるのは簡単だ。ただそんな風に辞めるのは俺が納得できねぇ」
ああ、分かった。俺は、
「俺は、俺にしか出来ない何かを見つける為に、退魔師を続けてるんだと思う」
その言葉を口にした時に、胸の燻りがピタリと止んだ気がした。
歩いていた道の途中、取りこぼした何かを拾ったような感覚がした。
俺の言葉を聞いたアイリアはまるで待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべて、
「良いと思うよ。ちょっとクサいけどね」
と、からかうように言った。
「るっせ」
少し恥ずかしい気持ちになる。自分の発言を顧みればあまりにも酷い台詞だと今にも後悔してしまいそうだ。
ただ満足気に笑う彼女を見て、俺は理解した。
「ありがとな」
「んー?何が?」
「何でもだよ」
「何でもって何さ」
「帰る」
「あーまたすぐそうやって置いていこうとする!」
こいつは俺が何か悩んでるのを見抜いてた。
それが退魔師に関することだってことも。
そして退魔師がデリケートな話題になりやすいのを知っていたからあんなにも躊躇っていたのだ。
何ともめんどくさい。
だが、それが彼女なりの優しさであるのを俺は知っている。
傷つかないように、折れないように、踏み込む距離を測りながら誰かの心に触れていく。
それがアイリアと話した俺の今までの所感。
誰に対してもそうで、俺だけにそうしているわけじゃない。
そう思った時に俺は、
「アイリア」
彼女に声をかけていた。
「なにー?」
と、振り返るアイリア。
「…気ぃ使いすぎんなよ」
「…カズは優しいね」
それっきり俺たちの間に会話は無かった。
その間は息苦しくなく、最後別れる時まで心地よいものであった。
「こんにちはカズ!今日は非番かな?」
「仕事帰りだ。お前もよく俺に会いに来るけど暇なのか?」
「態々時間作って上げてるんですー泣き虫のカズくん?」
「…チッ」
「あー!今舌打ちしたー!」
隣でギャンギャンと騒ぎ立てるのはこの間会った女。
名前はアイリアと言うらしい。
つい数年前こちらに来て、カウンセリングのようなことをしてるとの事。
初めて会った時、こいつの前でみっともなく泣き腫らしてからアイリアはやたらと俺に絡んでくるようになった。
お陰で同僚に彼女かとからかわれる始末。
別に彼女だろうとそうでなかろうとどうでもいいが、からかわれるのは単純に面倒くさい。
そんな暇があるならさっさと悪魔の一体でも狩ってくれば良いのにと思う。
どうせこの仕事に就いている限り、早死するのはほぼ確定みたいなもんだ。
それなら短い人生の中でいかに多くの武勲を立てるかを考えるべきだと俺は思う。
他人をからかって、有益なことなんてあるのだろうか。
「なーんでそんな難しい顔してんの?」
「…別に、なんでもねぇよ」
お前のせいだよ、と言ってやろうかと思ったけど言ったところでこいつは気にしない。
俺もこいつのメンタルを見習うべきだろうか。
「あ、もしかして私に見惚れてたかな?いやーんカズのえっちぃ〜」
前言撤回、こいつに見習うべきところは無い。
軽い目眩がして眉間を抑えながら、とっとと歩いていく。
「あ、待ってよ!ごめんってばー!」
早めた歩みに遅れないようアイリアがついてくる。
はぁ、と1つ溜息を吐いて俺は近くの公園へと歩いていった。
────────
公園のベンチに並んで座る。
平日の昼間だからか、人はまばらで遠くの喧騒まで聞こえてくるようだった。
温い風が吹き、なんとなく春を思わせる。
途中自販機で買った缶のカフェオレをちびちび飲みながら、ただ黙ってお互い座っていた。
どっちから話すか、何を話すか。
基本的に俺から話しかけることは無い。
アイリアが俺に対して話しかけることが大抵だ。
だが、どうにも今日のアイリアは大人しく感じる。
「どうした、今日は話さないのか?なら俺は帰るぞ」
「あー、いや、話す。話すよ?うん」
どこか挙動不審に視線をあっちこっちに彷徨わせている。
そんなハッキリしない姿に少し苛立ちながらも、彼女から話しかけてくるのを待つ。
一体どんな話題を振るつもりなのかひやひやする。
しばらくの静寂を経て、やがて意を決したようにアイリアは口を開いた。
「カズはさ、なんで退魔師やってるの?」
「…はぁ?」
随分と長く考えた割には深刻な話題ではなかった。
むしろ拍子抜けした。
「いや、もし嫌だったら話さなくてもいいんだけどね?ただなんでだろうなーって…あんまり退魔師やりたくてやってるって感じしないから、ちょっと気になったというか…」
ぽかんとしているとアイリアは少し慌てたように聞いてもない弁明を始めた。
別にそれについて深い理由があったわけでもないから問題無いが、何をそんなに躊躇っていたのか。
カフェオレに口をつけて、ちゃぷりと余った中身を缶の中で踊らせながら素朴な彼女の疑問に答えることにした。
「別に、親戚からやれって言われただけだ。続ける理由は無いけど、辞める理由もないから続けてる…ってか何をそんなに躊躇してたんだ?別にそれくらいなら普通に答えるぞ」
「あー、そっかそっか。うん。まぁ、なんて言うかさ」
アイリアは下手な作り笑いを浮かべると俯いて、足をブラつかせ、理由を語り始めた。
「カズに会う前に話した人がさ、退魔師でさ。家族を殺されたから退魔師やってるって言ってて。その人も結局会えなくなっちゃったんだけど。聞けば退魔師ってそういう仇討ちみたいな理由でやってるって人もいるっぽいからさ。もしカズもそうなら聞かない方がいいかなって思ってて、遠慮しちゃった」
らしくないよね、と一通り話し終えたのかまた周囲に静けさが戻る。
俺はなんとなく、アイリアが気を使っているのを感じ取っていた。
流石の俺でもここまであからさまにされると気付いてしまう。
と、同時に自分に対するなんとも言えないぼんやりとした感情を認識する。
怒りや自分の不甲斐なさに対する虚しさ、分かってはいたがどうにも自分が退魔師という職業を続けるにはあまりにも理由が不釣り合いで。
ただ、なにかムカムカしたものを胸に抱えた。
「そういう日もあんだろ。それに、その退魔師の方が俺より退魔師らしいと思うしな。俺みたいな退魔師の方が少ないと思う」
「そうかな?」
「そうだろ。なにか強い意志でもなきゃこんな危険な仕事やってない…って惰性で続けてる俺が言うのもなんだけどな」
「カズは退魔師辞めたい?」
その言葉に思わず言葉が詰まる。
辞めたいか。
逡巡して、朧気な心境を吐き出していく。
「わからない。俺は別に家族を殺されたわけじゃないし、友人を殺された訳でも無い。きっとそれはこの世界だと幸運な事で、それを守り続けるってのを本来退魔師としてやるべきなんだと思う」
俺はどうしたいんだろうか。
悪魔に対して、他の人に比べて強い憎悪を持ってる訳でもない。
かと言って今まで多くの人間を殺してきた悪魔を赦そうとも思わない。
既に空になったスチール缶を手で弄びながら自分に問いかけ、言葉を紡ぐ。
「なんつーか、周りと自分の意識の差みたいなもんは感じてる」
「普通じゃない?意識の高い人、意識の低い人って人数の多いグループになればなるほど出てくると思うよ。それは悪いことじゃなくて、必然的にそうなってしまうものって私は思うけどな」
「まぁ、そうなんだけどな。ただ、俺に限った話をするならそれは問題じゃねぇんだ」
本当にそれでいいんだろうか。
そんな風に今の自分を良しとしていないのに退魔師を続けているのは、その思考がずっと頭に残っているからだ。
「確かに叔父に無理矢理させられてるって理由で辞めるのは簡単だ。ただそんな風に辞めるのは俺が納得できねぇ」
ああ、分かった。俺は、
「俺は、俺にしか出来ない何かを見つける為に、退魔師を続けてるんだと思う」
その言葉を口にした時に、胸の燻りがピタリと止んだ気がした。
歩いていた道の途中、取りこぼした何かを拾ったような感覚がした。
俺の言葉を聞いたアイリアはまるで待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべて、
「良いと思うよ。ちょっとクサいけどね」
と、からかうように言った。
「るっせ」
少し恥ずかしい気持ちになる。自分の発言を顧みればあまりにも酷い台詞だと今にも後悔してしまいそうだ。
ただ満足気に笑う彼女を見て、俺は理解した。
「ありがとな」
「んー?何が?」
「何でもだよ」
「何でもって何さ」
「帰る」
「あーまたすぐそうやって置いていこうとする!」
こいつは俺が何か悩んでるのを見抜いてた。
それが退魔師に関することだってことも。
そして退魔師がデリケートな話題になりやすいのを知っていたからあんなにも躊躇っていたのだ。
何ともめんどくさい。
だが、それが彼女なりの優しさであるのを俺は知っている。
傷つかないように、折れないように、踏み込む距離を測りながら誰かの心に触れていく。
それがアイリアと話した俺の今までの所感。
誰に対してもそうで、俺だけにそうしているわけじゃない。
そう思った時に俺は、
「アイリア」
彼女に声をかけていた。
「なにー?」
と、振り返るアイリア。
「…気ぃ使いすぎんなよ」
「…カズは優しいね」
それっきり俺たちの間に会話は無かった。
その間は息苦しくなく、最後別れる時まで心地よいものであった。
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25時さん (8f20z02k)2023/3/12 22:42 (No.106667)削除伊藤if2話前半
東京が大量の悪魔に襲撃されてから数年が経った。
あの日、俺の家族は何とか生き残り、俺自身も無傷とは言えないが無事だった。
結局主犯は見つからず、倒せたのかすらもわかってない。
被害も決して軽くなく、悪魔の首都侵攻は日本全体に大きな爪痕を残した。
そんな中、俺こと伊藤剛一はまだ齢僅かにしてあの地獄を生き抜いたこと、同時に人命救助と戦果が評価されて2級への昇格となった。
相も変わらず両親は渋い顔をしていたが、それでも息子の昇任は誇らしいのか少し嬉しそうだった。
叔父は叔父でまだ足りない、まだ上を目指せると発破を掛ける始末。
両親にとって息子がいつ死んでもおかしくない仕事に身を置いているのは不安で仕方ないだろう。
お陰で俺はとんだ親不孝者だ。
とはいえなってしまったものはしょうがない。
2級にもなれば一端の退魔師だ。
3級の時のような縛りは緩和され、この時点で民間退魔師に転向する退魔師も多い。
まぁ、叔父が退魔師として働いている以上俺の働き先は当分深川神宮ではありそうだが。
「はぁ…」
神宮の休憩室にあるシングルソファに腰掛けて天井を見上げる。
家族を守った。自分を守った。
結論から言えばあの戦いの後、俺は退魔師を続けるモチベーションと言うのが残ってなかった。
誰かを助けたい気持ちはある。
何かを成したい思いもある。
けどそれが退魔師である必要は無いような気がしてならない。
そもそもの話、叔父に半ば強制的にやらされているが、まぁ16にもなればいい加減慣れてくる。
死の危険と隣合わせとはいえ、しっかりリスクを考えて行動を出来れば死ぬ事は…運が悪いと死にかけるがそれ以外は基本ない。
正直、惰性でこの仕事をやってしまっている。
具体的な目標が、やるべき事が思い浮かばない。
強くなってどうするのか、何の為に退魔師を続けるのか。
「はは、思春期の中学生かよ」
厨二病でもあるまいし、自分に酔っているのかもしれない。
生きる意味だとか、戦う理由だとか、そんなクサイことを考えるなんて。
なんだか考えている内容が馬鹿馬鹿しく感じて思わず乾いた笑いが零れた。
「…巡回するか」
ソファから立ち上がり、服装を正す。
悩んだ所でどうしようもない。
神と契約して代償を支払ってる以上、元の生活に戻るのは難しい。
学校に今更まともに通ったとして、交友関係を広げられるほど器用な人間じゃない。
結局、退魔師を続けるしか道が無いから、今日も俺は無気力に仕事をこなしていくのだ。
「ヴギャアオロウギヤァ!!!!」
大きな手の平がこちらに向かって落ちてくる。それを後方に飛んで躱し、左足で地面を蹴って宙を駆る。
悪魔は俺を目で追って、もう片方の腕をこちらに伸ばしてくるがもう遅い。
振りかぶっていた刀を縦一文字に薙ぐと、悪魔の腕は裂け体液を撒き散らす。
痛みに怯んでいる間に着地、低く屈んで片足を切り落とす。
次に無事な方の腕を肩から切断し、最後は首と胴を切り離す。
猿と不定形のナニかで構成されたような悪魔はその後再び動き出すことは無かった。
ビルとビルの隙間、小さな建物なら建てられそうだが不自然にぽっかりと空いた路地裏。
そこに悪魔は居た。
この空間自体がそういう呪術らしく、悪魔が死ぬと路地裏は元の人1人通れる程度の狭さに戻っていた。
「…きったねぇ」
懐から拭い紙を取り出して悪魔の体液を拭いながら、連盟の職員に連絡を取る。
悪魔の死骸の回収と任務完了の旨を伝え終え、周囲を改めて見渡した。
ぐちゃぐちゃの人間の死体があった。最早誰だったのかすらわからない。
退魔師だったのか、民間人だったのか。
衣服も血で真っ赤に染まっていた。
恐らくさっきの悪魔の食いかけだろう。
「ツイてなかったな、アンタ。来世ではもっとマシな世界で生きな」
屍臭と鉄臭さに顔を顰める。少し、この場から離れたくなった。
俯きながら歩道に出ようとした所で、
「わわっ!?」
「っと」
誰かにぶつかりそうになった。
ふわりと香った花のような匂いと、暖かな茶色い髪に目を奪われる。
彼女と目が合った時、俺は"失ったはずのものが目の前にある"、そんな感覚に襲われた。
「ごめんね!私ぼーっと歩いちゃってたみた…い…ねぇ、どうして泣いてるの?」
「…え?」
いつの間にか視界はぼやけてて、手を頬に持っていくと濡れた感触がある。
俺はいつの間にか泣いていたようだった。
おかしい、悲しいことなんてないのに。
彼女とは初めて会ったはずなのに。
「…っ!くっそ、なんで…なんで涙がっ…?」
拭っても拭っても涙は止まらない。そんな自分を理解出来なくて。
俺はただ彼女の前でみっともなく泣き続けていた。
ふと、体が暖かい感触に包まれる。
それは目の前にいたはずの彼女が俺を抱き締めていたから。
「やめろ、離れてくれ」
「離れないよ。そんな子供みたいに泣いてる人、放っておけないもの」
そう言ってさらに抱擁を強める彼女の体温は柔らかくて、優しくて。
思わず顔を伏せてしまった。
俺はそのまま、彼女を抱き締め返すことも突き放すこともせず、ただ黙ってそこに立ち尽くした。
視界はしばらく滲んでて何も見えなかったが、それでもその暖かさだけが安息を齎してくれていた。
東京が大量の悪魔に襲撃されてから数年が経った。
あの日、俺の家族は何とか生き残り、俺自身も無傷とは言えないが無事だった。
結局主犯は見つからず、倒せたのかすらもわかってない。
被害も決して軽くなく、悪魔の首都侵攻は日本全体に大きな爪痕を残した。
そんな中、俺こと伊藤剛一はまだ齢僅かにしてあの地獄を生き抜いたこと、同時に人命救助と戦果が評価されて2級への昇格となった。
相も変わらず両親は渋い顔をしていたが、それでも息子の昇任は誇らしいのか少し嬉しそうだった。
叔父は叔父でまだ足りない、まだ上を目指せると発破を掛ける始末。
両親にとって息子がいつ死んでもおかしくない仕事に身を置いているのは不安で仕方ないだろう。
お陰で俺はとんだ親不孝者だ。
とはいえなってしまったものはしょうがない。
2級にもなれば一端の退魔師だ。
3級の時のような縛りは緩和され、この時点で民間退魔師に転向する退魔師も多い。
まぁ、叔父が退魔師として働いている以上俺の働き先は当分深川神宮ではありそうだが。
「はぁ…」
神宮の休憩室にあるシングルソファに腰掛けて天井を見上げる。
家族を守った。自分を守った。
結論から言えばあの戦いの後、俺は退魔師を続けるモチベーションと言うのが残ってなかった。
誰かを助けたい気持ちはある。
何かを成したい思いもある。
けどそれが退魔師である必要は無いような気がしてならない。
そもそもの話、叔父に半ば強制的にやらされているが、まぁ16にもなればいい加減慣れてくる。
死の危険と隣合わせとはいえ、しっかりリスクを考えて行動を出来れば死ぬ事は…運が悪いと死にかけるがそれ以外は基本ない。
正直、惰性でこの仕事をやってしまっている。
具体的な目標が、やるべき事が思い浮かばない。
強くなってどうするのか、何の為に退魔師を続けるのか。
「はは、思春期の中学生かよ」
厨二病でもあるまいし、自分に酔っているのかもしれない。
生きる意味だとか、戦う理由だとか、そんなクサイことを考えるなんて。
なんだか考えている内容が馬鹿馬鹿しく感じて思わず乾いた笑いが零れた。
「…巡回するか」
ソファから立ち上がり、服装を正す。
悩んだ所でどうしようもない。
神と契約して代償を支払ってる以上、元の生活に戻るのは難しい。
学校に今更まともに通ったとして、交友関係を広げられるほど器用な人間じゃない。
結局、退魔師を続けるしか道が無いから、今日も俺は無気力に仕事をこなしていくのだ。
「ヴギャアオロウギヤァ!!!!」
大きな手の平がこちらに向かって落ちてくる。それを後方に飛んで躱し、左足で地面を蹴って宙を駆る。
悪魔は俺を目で追って、もう片方の腕をこちらに伸ばしてくるがもう遅い。
振りかぶっていた刀を縦一文字に薙ぐと、悪魔の腕は裂け体液を撒き散らす。
痛みに怯んでいる間に着地、低く屈んで片足を切り落とす。
次に無事な方の腕を肩から切断し、最後は首と胴を切り離す。
猿と不定形のナニかで構成されたような悪魔はその後再び動き出すことは無かった。
ビルとビルの隙間、小さな建物なら建てられそうだが不自然にぽっかりと空いた路地裏。
そこに悪魔は居た。
この空間自体がそういう呪術らしく、悪魔が死ぬと路地裏は元の人1人通れる程度の狭さに戻っていた。
「…きったねぇ」
懐から拭い紙を取り出して悪魔の体液を拭いながら、連盟の職員に連絡を取る。
悪魔の死骸の回収と任務完了の旨を伝え終え、周囲を改めて見渡した。
ぐちゃぐちゃの人間の死体があった。最早誰だったのかすらわからない。
退魔師だったのか、民間人だったのか。
衣服も血で真っ赤に染まっていた。
恐らくさっきの悪魔の食いかけだろう。
「ツイてなかったな、アンタ。来世ではもっとマシな世界で生きな」
屍臭と鉄臭さに顔を顰める。少し、この場から離れたくなった。
俯きながら歩道に出ようとした所で、
「わわっ!?」
「っと」
誰かにぶつかりそうになった。
ふわりと香った花のような匂いと、暖かな茶色い髪に目を奪われる。
彼女と目が合った時、俺は"失ったはずのものが目の前にある"、そんな感覚に襲われた。
「ごめんね!私ぼーっと歩いちゃってたみた…い…ねぇ、どうして泣いてるの?」
「…え?」
いつの間にか視界はぼやけてて、手を頬に持っていくと濡れた感触がある。
俺はいつの間にか泣いていたようだった。
おかしい、悲しいことなんてないのに。
彼女とは初めて会ったはずなのに。
「…っ!くっそ、なんで…なんで涙がっ…?」
拭っても拭っても涙は止まらない。そんな自分を理解出来なくて。
俺はただ彼女の前でみっともなく泣き続けていた。
ふと、体が暖かい感触に包まれる。
それは目の前にいたはずの彼女が俺を抱き締めていたから。
「やめろ、離れてくれ」
「離れないよ。そんな子供みたいに泣いてる人、放っておけないもの」
そう言ってさらに抱擁を強める彼女の体温は柔らかくて、優しくて。
思わず顔を伏せてしまった。
俺はそのまま、彼女を抱き締め返すことも突き放すこともせず、ただ黙ってそこに立ち尽くした。
視界はしばらく滲んでて何も見えなかったが、それでもその暖かさだけが安息を齎してくれていた。
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25時さん (8f20z02k)2023/1/12 13:42 (No.103099)削除おっと、これはこれは。君の出番はもう終わったはずだけど?
納得がいかないかい?それとも、自分の出る幕はもうないことを理解していない…とか。
ふむ、そういう訳では無いか。間違えて辿り着いてしまったと言った所か。
それならまぁ、仕方の無いことだ。誰だって誤りというものはある。
君だけじゃない、私だってそうだ。
人だろうと人じゃなかろうと、選択があるから間違える。
そういうことだよ。
──そうだね。じゃあ1つ脇道に逸れた話をしようか。
なぁに、ちょっとした暇つぶしさ。何せここに誰か来ることなんてそうそう無いからね。
間違いだろうと、ここに来たことにはご褒美を上げたくなるものさ。
じゃあ語り聞かせよう。
これは、もうひとつの結末を辿る話。
本来有り得なかったことが起こった別の世界。
起きなかった出来事、動かなかった歴史の断片。
特級退魔師、伊藤剛一が特級退魔師にならなかった、そんな話だ。
「っはぁ!はぁ…!はぁっ…!!!」
あちらこちらで爆音や剣戟が響く。
どこに行っても戦場で恐れや怖さを突き抜けていっそうんざりしてくる。
息も絶え絶えになりながら周囲の悪魔に刀を振って斬り伏せる。
悪魔から返る体液と汗が鬱陶しい。
刀の振り過ぎとずっと走り回っているせいで手も足も棒のようだ。
1度も攻撃を食らっていないのは俺の運がいいのか。
それでも俺はただ目的地へと急ぐ。
2009年2月13日、東京都悪魔襲撃事件。
深川神宮から民間までの全ての退魔師が東京都全域に駆り出されていた。
それはこんな子供の俺でも、退魔師である限り例外では無い。
母さんは、父さんは、弟は大丈夫か。
逃げ遅れてはいないか。巻き込まれてやしないか。
そんな不安が頭をよぎって止まない。
きっとあの鬼のような叔父はこんな俺を見れば覚悟が足りないとしばくだろう。
「…っくそ!邪魔だ!!!」
矢継ぎ早に襲いかかる悪魔達を神威を使って迎撃していく。
見えて来たのは見覚えのある道。
俺がいつも使っている、家に行くための一本道。
そこには逃げ遅れた家族と、今にも襲いかからんとする悪魔。
頭に昇った血液が、怒りやら焦りやらで一気に沸騰していく感覚に身を任せ、俺の体は悪魔に向かって弾け飛んだ。
「あああぁぁぁぁあ!!!」
がむしゃらに突っ込んだが幸いにも間に合い、なんとか頭部を切断することが出来た。
「剛一!」
「良いから早く逃げろ!!親父も!」
「まだ智樹が中に!」
「…っ!ああ、くっそ!」
我が家を一瞥すると今にも崩れそうになっている。
頭がこのまま入ってしまえば自分も巻き込まれてしまうと警鐘を鳴らしてくるが無視して玄関の扉を開けようとする。
しかし、家が歪み、扉のフレームがおじゃんになっていて開けることは叶わなかった。
「なら…!」
金属の扉を刀で切断できるほど、俺は刀が上手くない。
やれることはただ1つ、俺は思いっきり蹴飛ばした。
運が良かったのか、力の掛かり方が良かったのか。扉は一撃で破れた。
どこに、どこにいるのか。各部屋を開けて探せるだけの時間はもうない。
「……ぁさ………おと……」
微かに聞こえる弟の声。
リビングに行くと本棚とテーブルに下敷きにされた智樹がいた。
胸の内がザワっと、逆立つように騒ぐ。
「智樹!」
「おに…いちゃ…ん」
駆け寄ってわかったのは今すぐ何とかしないといけないということ。智樹はこのままだともうすぐ死ぬ。
家が崩れる前に助け出して病院に連れていかないと間に合わない。
軽く本棚に触るが、まるで壁に手を当てたかのように重い。霊力による身体強化でも持ち上がるかどうか。
ずん…と地響きのような音が聞こえる。天井の埃が降ってきて、倒壊までに時間が無いことを嫌でも分からせられる。
悩んでる場合じゃない。本棚を掴み持ち上げようとする。
びくともしない。自分の力の無さ、子供だからこその未熟さが今は恨めしい。
俺の神威が身体強化であれば、こんなにもたつかなくて済んだのに!
そんな意味もないもしが頭をよぎる。
悔しくて悔しくて堪らない。
俺は肉親の1人も助けられないのか。
「くそっ…!くそくそくそっ!!」
視界が滲み始める。ミシミシと家中から悲鳴が上がる。
ばんっ。
その音を最後に壁が落ちてくる。
無理だ、と思った。少なくとも俺と智樹の両方を助けることは。
叔父からいつでも思考を冷静に保てと鍛えられてきた頭は、こんな時でも状況を分析して最善を導き出す。
導き出してしまう。
“弟を見捨てること”
それが最善なことが。
それはダメだと否定しても、体と頭は半自動的に動き出す。
間に合わない、そう思った時。
白と青の影が、見えた気がした。
瞬間、空が爆音と共に弾けた。
目を開けるとどこかで見たような、でも初めて見た背中があった。
『いつかそうなるであろう』と、彼の姿を見て思った。
まるで自分を写したようで。
『お前は、俺になるな』
そんな言葉が聞こえてきたと同時に虚像は跡形もなく消えてった。
今のは一体なんだったのか、まるで分からないが少なくとも助かったというのは分かった。
今の一瞬で周辺の瓦礫ごと天井を吹き飛ばしていったようだ。
「そうだ智樹…!」
脈を測るとまだ生きていることが分かる。
それだけで安堵しそうになるが、そうもいかない。
智樹を背負って崩れてしまった家だった物を後にする。
父さんと母さんには先に避難するように言ってあったから、ここからは俺が智樹を避難所まで連れていかなくてはならない。
「やってやる、やってやるよ」
片腕で刀を持って口に咥える。
空いた両手で智樹の足をしっかり固定して落とさないように抱える。
霊力を回せ、身体を動かせ、頭を冷やせ。
今この場を生き残る為に。
この先を生き抜く為に。
雑念を取り払って俺は再び戦場へと駆けていった。
さて、これで1つ目。
君の物語はここが1つの転機だよ。
それは君も分かっていただろう?
だから君はあの場であんな事を言ったんだろうしね。
驚いたかい?なーに、ちょっとしたサプライズさ。
そもそもここを変えるためには誰かが助けに入らなきゃいけなかった。
でもこの周辺では誰も君たちを助けられる人間は居なかった。
仕方がないことさ。君が行かなきゃ、ここが変わることは無いだろうから。
まぁうだうだと変更点に対する理由を述べるつもりは無いよ。
ルートは変わった。
君そのものである彼は今から、君とは違う人生を歩み始めることになる。
もしも君が全ての選択肢を間違えた結果の人生を歩んだのであれば、彼は全ての選択肢を正しく進んだ人生をゆくだろう。
では、そろそろ2つ目の転機へと移ろうか。
納得がいかないかい?それとも、自分の出る幕はもうないことを理解していない…とか。
ふむ、そういう訳では無いか。間違えて辿り着いてしまったと言った所か。
それならまぁ、仕方の無いことだ。誰だって誤りというものはある。
君だけじゃない、私だってそうだ。
人だろうと人じゃなかろうと、選択があるから間違える。
そういうことだよ。
──そうだね。じゃあ1つ脇道に逸れた話をしようか。
なぁに、ちょっとした暇つぶしさ。何せここに誰か来ることなんてそうそう無いからね。
間違いだろうと、ここに来たことにはご褒美を上げたくなるものさ。
じゃあ語り聞かせよう。
これは、もうひとつの結末を辿る話。
本来有り得なかったことが起こった別の世界。
起きなかった出来事、動かなかった歴史の断片。
特級退魔師、伊藤剛一が特級退魔師にならなかった、そんな話だ。
「っはぁ!はぁ…!はぁっ…!!!」
あちらこちらで爆音や剣戟が響く。
どこに行っても戦場で恐れや怖さを突き抜けていっそうんざりしてくる。
息も絶え絶えになりながら周囲の悪魔に刀を振って斬り伏せる。
悪魔から返る体液と汗が鬱陶しい。
刀の振り過ぎとずっと走り回っているせいで手も足も棒のようだ。
1度も攻撃を食らっていないのは俺の運がいいのか。
それでも俺はただ目的地へと急ぐ。
2009年2月13日、東京都悪魔襲撃事件。
深川神宮から民間までの全ての退魔師が東京都全域に駆り出されていた。
それはこんな子供の俺でも、退魔師である限り例外では無い。
母さんは、父さんは、弟は大丈夫か。
逃げ遅れてはいないか。巻き込まれてやしないか。
そんな不安が頭をよぎって止まない。
きっとあの鬼のような叔父はこんな俺を見れば覚悟が足りないとしばくだろう。
「…っくそ!邪魔だ!!!」
矢継ぎ早に襲いかかる悪魔達を神威を使って迎撃していく。
見えて来たのは見覚えのある道。
俺がいつも使っている、家に行くための一本道。
そこには逃げ遅れた家族と、今にも襲いかからんとする悪魔。
頭に昇った血液が、怒りやら焦りやらで一気に沸騰していく感覚に身を任せ、俺の体は悪魔に向かって弾け飛んだ。
「あああぁぁぁぁあ!!!」
がむしゃらに突っ込んだが幸いにも間に合い、なんとか頭部を切断することが出来た。
「剛一!」
「良いから早く逃げろ!!親父も!」
「まだ智樹が中に!」
「…っ!ああ、くっそ!」
我が家を一瞥すると今にも崩れそうになっている。
頭がこのまま入ってしまえば自分も巻き込まれてしまうと警鐘を鳴らしてくるが無視して玄関の扉を開けようとする。
しかし、家が歪み、扉のフレームがおじゃんになっていて開けることは叶わなかった。
「なら…!」
金属の扉を刀で切断できるほど、俺は刀が上手くない。
やれることはただ1つ、俺は思いっきり蹴飛ばした。
運が良かったのか、力の掛かり方が良かったのか。扉は一撃で破れた。
どこに、どこにいるのか。各部屋を開けて探せるだけの時間はもうない。
「……ぁさ………おと……」
微かに聞こえる弟の声。
リビングに行くと本棚とテーブルに下敷きにされた智樹がいた。
胸の内がザワっと、逆立つように騒ぐ。
「智樹!」
「おに…いちゃ…ん」
駆け寄ってわかったのは今すぐ何とかしないといけないということ。智樹はこのままだともうすぐ死ぬ。
家が崩れる前に助け出して病院に連れていかないと間に合わない。
軽く本棚に触るが、まるで壁に手を当てたかのように重い。霊力による身体強化でも持ち上がるかどうか。
ずん…と地響きのような音が聞こえる。天井の埃が降ってきて、倒壊までに時間が無いことを嫌でも分からせられる。
悩んでる場合じゃない。本棚を掴み持ち上げようとする。
びくともしない。自分の力の無さ、子供だからこその未熟さが今は恨めしい。
俺の神威が身体強化であれば、こんなにもたつかなくて済んだのに!
そんな意味もないもしが頭をよぎる。
悔しくて悔しくて堪らない。
俺は肉親の1人も助けられないのか。
「くそっ…!くそくそくそっ!!」
視界が滲み始める。ミシミシと家中から悲鳴が上がる。
ばんっ。
その音を最後に壁が落ちてくる。
無理だ、と思った。少なくとも俺と智樹の両方を助けることは。
叔父からいつでも思考を冷静に保てと鍛えられてきた頭は、こんな時でも状況を分析して最善を導き出す。
導き出してしまう。
“弟を見捨てること”
それが最善なことが。
それはダメだと否定しても、体と頭は半自動的に動き出す。
間に合わない、そう思った時。
白と青の影が、見えた気がした。
瞬間、空が爆音と共に弾けた。
目を開けるとどこかで見たような、でも初めて見た背中があった。
『いつかそうなるであろう』と、彼の姿を見て思った。
まるで自分を写したようで。
『お前は、俺になるな』
そんな言葉が聞こえてきたと同時に虚像は跡形もなく消えてった。
今のは一体なんだったのか、まるで分からないが少なくとも助かったというのは分かった。
今の一瞬で周辺の瓦礫ごと天井を吹き飛ばしていったようだ。
「そうだ智樹…!」
脈を測るとまだ生きていることが分かる。
それだけで安堵しそうになるが、そうもいかない。
智樹を背負って崩れてしまった家だった物を後にする。
父さんと母さんには先に避難するように言ってあったから、ここからは俺が智樹を避難所まで連れていかなくてはならない。
「やってやる、やってやるよ」
片腕で刀を持って口に咥える。
空いた両手で智樹の足をしっかり固定して落とさないように抱える。
霊力を回せ、身体を動かせ、頭を冷やせ。
今この場を生き残る為に。
この先を生き抜く為に。
雑念を取り払って俺は再び戦場へと駆けていった。
さて、これで1つ目。
君の物語はここが1つの転機だよ。
それは君も分かっていただろう?
だから君はあの場であんな事を言ったんだろうしね。
驚いたかい?なーに、ちょっとしたサプライズさ。
そもそもここを変えるためには誰かが助けに入らなきゃいけなかった。
でもこの周辺では誰も君たちを助けられる人間は居なかった。
仕方がないことさ。君が行かなきゃ、ここが変わることは無いだろうから。
まぁうだうだと変更点に対する理由を述べるつもりは無いよ。
ルートは変わった。
君そのものである彼は今から、君とは違う人生を歩み始めることになる。
もしも君が全ての選択肢を間違えた結果の人生を歩んだのであれば、彼は全ての選択肢を正しく進んだ人生をゆくだろう。
では、そろそろ2つ目の転機へと移ろうか。
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千
千草さん (8kxvzkea)2022/12/31 23:47 (No.102620)削除【イベントのお知らせ】
一月十一日、それは鏡開きの日。
本来であれば、年神様が宿っていたことで魂が吹き込まれた鏡餅から、その力を授かり家族の無病息災の願いを込めて鏡餅を食べる日である。
しかし!近年餅による窒息事故で死亡した六十五歳以上の高齢者の数は約三百人、餅ほど恐ろしい食べ物はないのだ!
『餅さえ食べなければあの人は死ななかったのに……!』
遺された家族はそう思うことだろう。
長年溜まりに溜まった餅への敵意は、捻じ曲がってこんがらがり、ついには悪魔となって現れた。
栃木県の安住神社。そこでは大鏡餅奉納祭という、もち米八俵で突き上げた約700kgの大鏡餅を奉納する、昭和五十七年から続く年末恒例行事を行っている。
節分の参拝者に福まきで配られるはずだったこの大鏡餅は、悪魔の依代となってしまったのだった!
任務通達:
栃木県で発生した大鏡餅の悪魔及び餅の悪魔たちの討伐、民間人の避難誘導。
詳細は現地の退魔師に伝えてある。では、諸君の健闘を祈る。
【Let's go!鏡開き!】
・日時
1/4(水)〜1/6(金)
六日は予備日なので、一応二日で終わる予定ではあります。一応。
・分類
探索、調査、戦闘。
ロスト率極低、悪魔討伐完了前にイベントエリアで餅を食べることで強制ロスト。
・推奨キャラ
退魔師、民間退魔師、魔人退魔師。
その他での参加も可能ですが、導入の説明がない状態での巻き込まれスタートになります。ご了承ください。
・注意
頭を空っぽにして楽しむ脳死エンジョイイベント。何でも許せる方向け。
『おもちぽいんと』なる不思議システムがあります。
もう既に大体察せると思いますが深く考えてはいけない系です。
これはくそゆるふわとろ脳死おもちイベントなんだ。
一月十一日!!!そう、一月十一日でございます!!!!!
四日〜六日というのは気のせいで、一月十一日なのです!!!!!(ゴリ押し)
一月十一日、それは鏡開きの日。
本来であれば、年神様が宿っていたことで魂が吹き込まれた鏡餅から、その力を授かり家族の無病息災の願いを込めて鏡餅を食べる日である。
しかし!近年餅による窒息事故で死亡した六十五歳以上の高齢者の数は約三百人、餅ほど恐ろしい食べ物はないのだ!
『餅さえ食べなければあの人は死ななかったのに……!』
遺された家族はそう思うことだろう。
長年溜まりに溜まった餅への敵意は、捻じ曲がってこんがらがり、ついには悪魔となって現れた。
栃木県の安住神社。そこでは大鏡餅奉納祭という、もち米八俵で突き上げた約700kgの大鏡餅を奉納する、昭和五十七年から続く年末恒例行事を行っている。
節分の参拝者に福まきで配られるはずだったこの大鏡餅は、悪魔の依代となってしまったのだった!
任務通達:
栃木県で発生した大鏡餅の悪魔及び餅の悪魔たちの討伐、民間人の避難誘導。
詳細は現地の退魔師に伝えてある。では、諸君の健闘を祈る。
【Let's go!鏡開き!】
・日時
1/4(水)〜1/6(金)
六日は予備日なので、一応二日で終わる予定ではあります。一応。
・分類
探索、調査、戦闘。
ロスト率極低、悪魔討伐完了前にイベントエリアで餅を食べることで強制ロスト。
・推奨キャラ
退魔師、民間退魔師、魔人退魔師。
その他での参加も可能ですが、導入の説明がない状態での巻き込まれスタートになります。ご了承ください。
・注意
頭を空っぽにして楽しむ脳死エンジョイイベント。何でも許せる方向け。
『おもちぽいんと』なる不思議システムがあります。
もう既に大体察せると思いますが深く考えてはいけない系です。
これはくそゆるふわとろ脳死おもちイベントなんだ。
一月十一日!!!そう、一月十一日でございます!!!!!
四日〜六日というのは気のせいで、一月十一日なのです!!!!!(ゴリ押し)
千
千草さん (8kys4uq8)2023/1/1 14:47削除日付だけ書いて、時間を書いていないことにただいま気付きました。
大変申し訳ごさいませんでした。
20時〜24時を予定しております。
大変申し訳ごさいませんでした。
20時〜24時を予定しております。
千
千草さん (8l3ecc8t)2023/1/4 20:20削除探索マップ

千
千草さん (8l3ecc8t)2023/1/4 20:23削除NPC退魔師・弟
【名前】更科 日向(さらしな ひゅうが)
【性別】男
【年齢】23歳
【職業】民間退魔師
【神社】安住神社
【階級】三級
【亭号】天海
【容姿】画像参照。身長187cm、程々に鍛えられた身体を持つ。
【性格】わんこ後輩系男子。姉を慕っている。ちゃらんぽらんのように見えるが実は真面目で、就職活動をやめて退魔師になったのも姉をサポートしたいがため。少々天然気味だが姉よりはまともな言動を取る。
【神威】『清めの塩』
強い浄化作用を持つ塩の生成と操作。完全に悪魔及び魔人特攻で、呪術師相手にはまともに戦うことが出来ない。かと思われていたが、目潰しとして運用出来ることを発見した。容赦ない。
操作範囲は半径50m、視界内だと操作の精度が上がる。また、効果は薄れるが食塩として料理に使うことも可能。大きな結晶として出せば浄化(物理)も出来る。物騒。
『ひゅーちゃんすぺしゃるみらくるさぽーと』
バフ系統、対象五人にゲームなどで言うところの状態異常無効を与える。
毒、麻痺、睡眠などに加え、環境による影響(熱など)も受けなくなる。肉親以外で六時間以上同じ人間を対象とし続けたり、人間以外を対象とすると吐血して倒れ、神威の効果も切れる。
【代償】清めの塩:痛覚鈍麻。何か痛いなと感じた時にはもうすでにだらだらと大量に出血していることが多々。
前略さぽーと:満たされない食欲。必要とするカロリーは一般的な成人男性と変わらないため、まともな食生活を送るには飴やガムなどしばらく口寂しくならないようなものが必須。
【武器】鎌(草刈り用)
【備考】神社では主に付き添いと雑用係をしている。
【SV】「あっ、おれ更科日向って言います!よろしくっす」
「おれまだ戦闘経験全然ないんすよ。姉貴が退魔師だからおれも退魔師になったけど、今まで結構自由に生きさせてもらってたんで」
「姉貴って凄いんすよ、十二の時にはもう悪魔退治したことあってさ!皆に慕われてて……優しくて……自慢の姉貴!って感じっす!!」
香椎男子様をお借りしました。
【名前】更科 日向(さらしな ひゅうが)
【性別】男
【年齢】23歳
【職業】民間退魔師
【神社】安住神社
【階級】三級
【亭号】天海
【容姿】画像参照。身長187cm、程々に鍛えられた身体を持つ。
【性格】わんこ後輩系男子。姉を慕っている。ちゃらんぽらんのように見えるが実は真面目で、就職活動をやめて退魔師になったのも姉をサポートしたいがため。少々天然気味だが姉よりはまともな言動を取る。
【神威】『清めの塩』
強い浄化作用を持つ塩の生成と操作。完全に悪魔及び魔人特攻で、呪術師相手にはまともに戦うことが出来ない。かと思われていたが、目潰しとして運用出来ることを発見した。容赦ない。
操作範囲は半径50m、視界内だと操作の精度が上がる。また、効果は薄れるが食塩として料理に使うことも可能。大きな結晶として出せば浄化(物理)も出来る。物騒。
『ひゅーちゃんすぺしゃるみらくるさぽーと』
バフ系統、対象五人にゲームなどで言うところの状態異常無効を与える。
毒、麻痺、睡眠などに加え、環境による影響(熱など)も受けなくなる。肉親以外で六時間以上同じ人間を対象とし続けたり、人間以外を対象とすると吐血して倒れ、神威の効果も切れる。
【代償】清めの塩:痛覚鈍麻。何か痛いなと感じた時にはもうすでにだらだらと大量に出血していることが多々。
前略さぽーと:満たされない食欲。必要とするカロリーは一般的な成人男性と変わらないため、まともな食生活を送るには飴やガムなどしばらく口寂しくならないようなものが必須。
【武器】鎌(草刈り用)
【備考】神社では主に付き添いと雑用係をしている。
【SV】「あっ、おれ更科日向って言います!よろしくっす」
「おれまだ戦闘経験全然ないんすよ。姉貴が退魔師だからおれも退魔師になったけど、今まで結構自由に生きさせてもらってたんで」
「姉貴って凄いんすよ、十二の時にはもう悪魔退治したことあってさ!皆に慕われてて……優しくて……自慢の姉貴!って感じっす!!」
香椎男子様をお借りしました。

千
千草さん (8l3ecc8t)2023/1/4 20:25削除NPC退魔師・姉
【名前】更科 陽彩(さらしな ひいろ)
【性別】女
【年齢】32歳
【職業】民間退魔師
【神社】安住神社
【階級】一級
【亭号】天河
【容姿】画像参照。身長139cm、140cmはあると本人は主張している。どことは言わないがペったんペったんつるぺったん。
【性格】おっとりほんわかとしたお姉さん。天然で感性がズレていることも多々、そこもまた魅力なのだとファンは語る。率先してお世話をしたがるが、見た目のせいか危うい雰囲気を醸し出すことが多い。
【神威】『清めの水』
強い浄化作用を持つ水の生成と操作。完全に悪魔及び魔人特攻で、呪術師相手にはまともに戦うことが出来ない。
操作範囲は半径50m、視界内だと操作の精度が上がる。また、何かに染み込ませたり詰め込んで利用することも可能。
『ひーちゃんすぺしゃるぱわふるあたっく』
身体強化。思い切り蹴れば電柱くらいなら折ることが可能。
小さな体には負担が大きすぎるのか、使用後は酷い筋肉痛に襲われる。霊力操作と併用して普段から一般的な成人女性程度には動けるように調整して強化している。
【代償】清めの水:天然水以外の飲料水の摂取不可。拒絶反応で吐き出してしまう。水道水はぎりぎり飲めないことはないが、吐き気が凄い。
前略あたっく:体格の固定。成長自体はしているので、体への負担を度外視するならば子供を産むことも出来る。
【武器】清めの水が染み込んだ折り鶴、ハンマー
【備考】十二歳の頃に大鏡餅の悪魔を討伐した退魔師。安住神社ではその見た目も相まって、ちょっとしたアイドルとして扱われている。
【SV】「わたし、ひゅーちゃんのお姉ちゃんだよ。天河って言うんだ、よろしくね」
「怖いの?大丈夫だよ、お姉ちゃんに任せて。どうにかしてあげるから」
「ひゅーちゃんはとってもいい子だから、仲良くしてあげてね。真面目だし、しっかり者だし……優しい子なんだよ」
警鐘が鳴ってる様をお借りしました。
【名前】更科 陽彩(さらしな ひいろ)
【性別】女
【年齢】32歳
【職業】民間退魔師
【神社】安住神社
【階級】一級
【亭号】天河
【容姿】画像参照。身長139cm、140cmはあると本人は主張している。どことは言わないがペったんペったんつるぺったん。
【性格】おっとりほんわかとしたお姉さん。天然で感性がズレていることも多々、そこもまた魅力なのだとファンは語る。率先してお世話をしたがるが、見た目のせいか危うい雰囲気を醸し出すことが多い。
【神威】『清めの水』
強い浄化作用を持つ水の生成と操作。完全に悪魔及び魔人特攻で、呪術師相手にはまともに戦うことが出来ない。
操作範囲は半径50m、視界内だと操作の精度が上がる。また、何かに染み込ませたり詰め込んで利用することも可能。
『ひーちゃんすぺしゃるぱわふるあたっく』
身体強化。思い切り蹴れば電柱くらいなら折ることが可能。
小さな体には負担が大きすぎるのか、使用後は酷い筋肉痛に襲われる。霊力操作と併用して普段から一般的な成人女性程度には動けるように調整して強化している。
【代償】清めの水:天然水以外の飲料水の摂取不可。拒絶反応で吐き出してしまう。水道水はぎりぎり飲めないことはないが、吐き気が凄い。
前略あたっく:体格の固定。成長自体はしているので、体への負担を度外視するならば子供を産むことも出来る。
【武器】清めの水が染み込んだ折り鶴、ハンマー
【備考】十二歳の頃に大鏡餅の悪魔を討伐した退魔師。安住神社ではその見た目も相まって、ちょっとしたアイドルとして扱われている。
【SV】「わたし、ひゅーちゃんのお姉ちゃんだよ。天河って言うんだ、よろしくね」
「怖いの?大丈夫だよ、お姉ちゃんに任せて。どうにかしてあげるから」
「ひゅーちゃんはとってもいい子だから、仲良くしてあげてね。真面目だし、しっかり者だし……優しい子なんだよ」
警鐘が鳴ってる様をお借りしました。

返信
返信4
雛
雛菊さん (7t9hqqkp)2022/11/9 17:18 (No.100985)削除イベント情報追加版です。
変更している所がありますので、
前回読んだ方もお手数かけますが再度目を通していただけるとありがたいです。
______京都、公有会
悪魔被害者の中でも、
見た目や精神に難のある身寄りのない人間達の集まる施設。
そこでは精神安定の為、と
定期的に交流会と称したちょっとしたお祭りが開かれていた______!
【イベント名】
神様遊び_
【開催場所】イベント部屋
【日時】11/21、22、23
開始は19時半、0時付近に終了予定。
2~3日で終わるものを想定していますが、運営が一人かつ前科持ちなので伸びる可能性大。
シナリオのみ時間制限付きで、急に終わることがあります。
(※お祭り自体は続きます)
3日目終了時に戦闘開始となった場合確実に事故なので、その時は申し訳ないのですが4日目に移行します…
【制度】
戦闘/ルート次第で有。(レイド形式…?)
ロスト/有。
何はともあれ事前に警告を出します。
時間の進み/notリアルタイム
どんなに長くても1日の出来事にします。
結果次第でエンディング、及びサブタイトルが変わる予定。
【使用出来る人数】
参加人数、私の技量によりけりですが
同時に二人までとします。
途中で帰って別キャラに変えてもOKです。
【注意等】
推奨は退魔師。
神様禁止です。
イベント内でNPCより提示されるルールを三回(場合によっては一回)破ったキャラクターは、申し訳ありませんが
強制退場(当イベント内使用不可)とさせていただきます。
もし退場してしまった場合、
別キャラクターで参加し直す事は可能です。
戦闘は事故が無ければ後半に発生する予定ですので、
基本的には秋祭りとして交流等を楽しんでいただければ幸いです。
【イベント概要】
裏にちょっとしたシナリオがあるタイプのほのぼの屋内秋祭り的なイベントになります。
不穏要素はご愛敬と言うことで。
去年の9月18日から開催したイベントと
ほんの少しだけ繋がりがあります。
ログを読み返すなどしていただけると、ちょっとだけ楽しめるかもしれません。
(読まなくても全然問題はないです)
【事前情報】
調べてから行くタイプの子や、シナリオ用のアレソレなので読まなくても問題はありません。
屋台一覧はイベ当日にも改めて載せます。
足りない!とか分からない!と言う所あれば当日直接お聞きくださいまし。
公有会について(公式サイト情報)
(基本情報は解説サイトに乗せてもらっているのでそちらを参照ください)
・職員等がほとんど公有会出身で構成されている程度には長く続いている。
数年前に初代会長が退任しており、
今の会長は
『北上理一』(きたかみ りいち)
と言う書生風の格好と伏した目が特徴的な20代後半の男性である。
退魔師免許持ち(民間退魔師)
・また、サイトにはご丁寧にT◯itterとブログのリンクが乗っている。
前者はろくに動いていないが
後者は複数人で運営されているようで、書く職員が変わりつつも活発に動いている様子が見てとれる。
ブログは見る日によるが、
祭り当日には
『今年もお祭りを開きます』
と言う宣伝記事がアップされており、
中身は主に準備している様子を撮った写真が並べられているものである。
例をあげれば、露店におめんを飾り付ける黒子頭巾を被った男性の写真と共に
『顔は誰も見たことないんだよなー』と言う謎のコメントがあったり、
はにかんでいるお団子カバーをつけた少女と満面の笑みのオーバーオールの少女のツーショットと共に
『撮ってもらいました✌️
お父様のお手伝いだそうです。
チョコバナナ 楽しみですね!』と書かれていたりする。
文体がコロコロ変わっているので複数人で書かれたものなのかもしれない。
祭り前日以前に調べたのであれば、
『教会が建ちました』と言う一般的に見れば困惑するようなタイトルにNew!のマークがついており、
開いてみれば
タイトル通りの建物を背景に
ピースをしている黒い着物を着崩した少女の写真が載っており、
『意外と洒落ています。』
とだけ書かれている。
祭りについて
・年に一回、11月に1日だけやっているお祭り
・交流会と称されているのは数ヵ月に一度ほど開かれる交流会の代わりにやっているからである。
・屋内でやるものとしてはとんでもなく豪華な部類で、1日のみの開催ながら人も多く集まる。
・一部の食べ物系屋台に関しては専門店が協力しているようだ。
・このような祭りを開催するのは二代目になってからであり、
一応、天売と言う名前の神様の為の祭りのようだ。
屋台一覧
(ドリンク系はさーびすでそこらにあるものとする)
グループ①(食べ物系)
イカ焼き(姿焼きの方)
焼きそば(海鮮オンリー)
わたあめ
かき氷
やきいも
ちょこばなな
りんご飴
グループ②(ゲーム系)
わなげ
射的
金魚すくい
おめん
くじ引き
かたぬき
ヨーヨー釣り
グループ③(その他?)
おばけやしき
変更している所がありますので、
前回読んだ方もお手数かけますが再度目を通していただけるとありがたいです。
______京都、公有会
悪魔被害者の中でも、
見た目や精神に難のある身寄りのない人間達の集まる施設。
そこでは精神安定の為、と
定期的に交流会と称したちょっとしたお祭りが開かれていた______!
【イベント名】
神様遊び_
【開催場所】イベント部屋
【日時】11/21、22、23
開始は19時半、0時付近に終了予定。
2~3日で終わるものを想定していますが、運営が一人かつ前科持ちなので伸びる可能性大。
シナリオのみ時間制限付きで、急に終わることがあります。
(※お祭り自体は続きます)
3日目終了時に戦闘開始となった場合確実に事故なので、その時は申し訳ないのですが4日目に移行します…
【制度】
戦闘/ルート次第で有。(レイド形式…?)
ロスト/有。
何はともあれ事前に警告を出します。
時間の進み/notリアルタイム
どんなに長くても1日の出来事にします。
結果次第でエンディング、及びサブタイトルが変わる予定。
【使用出来る人数】
参加人数、私の技量によりけりですが
同時に二人までとします。
途中で帰って別キャラに変えてもOKです。
【注意等】
推奨は退魔師。
神様禁止です。
イベント内でNPCより提示されるルールを三回(場合によっては一回)破ったキャラクターは、申し訳ありませんが
強制退場(当イベント内使用不可)とさせていただきます。
もし退場してしまった場合、
別キャラクターで参加し直す事は可能です。
戦闘は事故が無ければ後半に発生する予定ですので、
基本的には秋祭りとして交流等を楽しんでいただければ幸いです。
【イベント概要】
裏にちょっとしたシナリオがあるタイプのほのぼの屋内秋祭り的なイベントになります。
不穏要素はご愛敬と言うことで。
去年の9月18日から開催したイベントと
ほんの少しだけ繋がりがあります。
ログを読み返すなどしていただけると、ちょっとだけ楽しめるかもしれません。
(読まなくても全然問題はないです)
【事前情報】
調べてから行くタイプの子や、シナリオ用のアレソレなので読まなくても問題はありません。
屋台一覧はイベ当日にも改めて載せます。
足りない!とか分からない!と言う所あれば当日直接お聞きくださいまし。
公有会について(公式サイト情報)
(基本情報は解説サイトに乗せてもらっているのでそちらを参照ください)
・職員等がほとんど公有会出身で構成されている程度には長く続いている。
数年前に初代会長が退任しており、
今の会長は
『北上理一』(きたかみ りいち)
と言う書生風の格好と伏した目が特徴的な20代後半の男性である。
退魔師免許持ち(民間退魔師)
・また、サイトにはご丁寧にT◯itterとブログのリンクが乗っている。
前者はろくに動いていないが
後者は複数人で運営されているようで、書く職員が変わりつつも活発に動いている様子が見てとれる。
ブログは見る日によるが、
祭り当日には
『今年もお祭りを開きます』
と言う宣伝記事がアップされており、
中身は主に準備している様子を撮った写真が並べられているものである。
例をあげれば、露店におめんを飾り付ける黒子頭巾を被った男性の写真と共に
『顔は誰も見たことないんだよなー』と言う謎のコメントがあったり、
はにかんでいるお団子カバーをつけた少女と満面の笑みのオーバーオールの少女のツーショットと共に
『撮ってもらいました✌️
お父様のお手伝いだそうです。
チョコバナナ 楽しみですね!』と書かれていたりする。
文体がコロコロ変わっているので複数人で書かれたものなのかもしれない。
祭り前日以前に調べたのであれば、
『教会が建ちました』と言う一般的に見れば困惑するようなタイトルにNew!のマークがついており、
開いてみれば
タイトル通りの建物を背景に
ピースをしている黒い着物を着崩した少女の写真が載っており、
『意外と洒落ています。』
とだけ書かれている。
祭りについて
・年に一回、11月に1日だけやっているお祭り
・交流会と称されているのは数ヵ月に一度ほど開かれる交流会の代わりにやっているからである。
・屋内でやるものとしてはとんでもなく豪華な部類で、1日のみの開催ながら人も多く集まる。
・一部の食べ物系屋台に関しては専門店が協力しているようだ。
・このような祭りを開催するのは二代目になってからであり、
一応、天売と言う名前の神様の為の祭りのようだ。
屋台一覧
(ドリンク系はさーびすでそこらにあるものとする)
グループ①(食べ物系)
イカ焼き(姿焼きの方)
焼きそば(海鮮オンリー)
わたあめ
かき氷
やきいも
ちょこばなな
りんご飴
グループ②(ゲーム系)
わなげ
射的
金魚すくい
おめん
くじ引き
かたぬき
ヨーヨー釣り
グループ③(その他?)
おばけやしき




(背景はお借りしています)
雛
雛菊さん (7t9hqqkp)2022/11/29 05:14削除遅ればせながら、神様遊び_______部分日食
3日内に無事終えられました。
イベントに参加してくれた方々、ありがとうございました。
言いそびれていたのですが、扱い的にはトゥルーエンドとなります。
3日内に無事終えられました。
イベントに参加してくれた方々、ありがとうございました。
言いそびれていたのですが、扱い的にはトゥルーエンドとなります。

返信
返信1
雛
雛菊さん (7t9hqqkp)2022/10/21 13:02 (No.100272)削除イベント開催のお知らせです。
(※少し早めの知らせとなっております。
流れる可能性その他諸々を考えまして、
マップや事前情報などの詳細が入ったものは11月に出す予定です。)
______京都、公有会
悪魔被害者の中でも、
見た目や精神に難のある身寄りのない人間達の集まる施設。
そこでは精神安定の為、と
定期的に交流会と称したちょっとしたお祭りが開かれていた______!
【イベント名】
神様遊び_
【開催場所】イベント部屋
【日時】11/21、22、23
開始は19時半、0時付近に終了予定。
2~3日で終わるものを想定していますが、運営が一人かつ前科持ちなので伸びる可能性大。
もし3日目終了時に戦闘開始となった場合、申し訳ないのですが4日目に移行します。
【制度】
戦闘/ルート次第で有。(レイド形式…?)
ロスト/有。
何はともあれ事前に警告を出します。
時間の進み/notリアルタイム
どんなに長くても1日の出来事にします。
結果次第でエンディング、及びサブタイトルが変わる予定。
大まか分けるならば二つになっております。
【使用出来る人数】
参加人数、私の技量によりけりですが
同時に二人までとします。
途中で帰って別キャラに変えてもOKです。
【注意等】
推奨は退魔師です。
イベント内でNPCより提示されるルールを三回(場合によっては一回)破ったキャラクターは、申し訳ありませんが
強制退場(当イベント内使用不可)とさせていただきます。
もし退場してしまった場合、
別キャラクターで参加し直す事は可能です。
戦闘は事故が無ければ後半に発生する予定ですので、
基本的には秋祭りとして交流等を楽しんでいただければ幸いです。
【イベント概要】
裏にちょっとしたシナリオがあるタイプのほのぼの屋内秋祭り的なイベントになります。
不穏要素はご愛敬と言うことで。
去年の9月18日から開催したイベントと
ほんの少しだけ繋がりがあります。
ログを読み返すなどしていただけると、ちょっとだけ楽しめるかもしれません。
(読まなくても全然問題はないです)
(※少し早めの知らせとなっております。
流れる可能性その他諸々を考えまして、
マップや事前情報などの詳細が入ったものは11月に出す予定です。)
______京都、公有会
悪魔被害者の中でも、
見た目や精神に難のある身寄りのない人間達の集まる施設。
そこでは精神安定の為、と
定期的に交流会と称したちょっとしたお祭りが開かれていた______!
【イベント名】
神様遊び_
【開催場所】イベント部屋
【日時】11/21、22、23
開始は19時半、0時付近に終了予定。
2~3日で終わるものを想定していますが、運営が一人かつ前科持ちなので伸びる可能性大。
もし3日目終了時に戦闘開始となった場合、申し訳ないのですが4日目に移行します。
【制度】
戦闘/ルート次第で有。(レイド形式…?)
ロスト/有。
何はともあれ事前に警告を出します。
時間の進み/notリアルタイム
どんなに長くても1日の出来事にします。
結果次第でエンディング、及びサブタイトルが変わる予定。
大まか分けるならば二つになっております。
【使用出来る人数】
参加人数、私の技量によりけりですが
同時に二人までとします。
途中で帰って別キャラに変えてもOKです。
【注意等】
推奨は退魔師です。
イベント内でNPCより提示されるルールを三回(場合によっては一回)破ったキャラクターは、申し訳ありませんが
強制退場(当イベント内使用不可)とさせていただきます。
もし退場してしまった場合、
別キャラクターで参加し直す事は可能です。
戦闘は事故が無ければ後半に発生する予定ですので、
基本的には秋祭りとして交流等を楽しんでいただければ幸いです。
【イベント概要】
裏にちょっとしたシナリオがあるタイプのほのぼの屋内秋祭り的なイベントになります。
不穏要素はご愛敬と言うことで。
去年の9月18日から開催したイベントと
ほんの少しだけ繋がりがあります。
ログを読み返すなどしていただけると、ちょっとだけ楽しめるかもしれません。
(読まなくても全然問題はないです)

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饅
饅頭さん (8gahtyny)2022/10/18 18:40 (No.100207)削除こそっと、よその子を合わせて

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